【2024年12月更新】
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葬儀の知識

初盆(新盆)はどうやって飾る?また、準備や過ごし方についてご紹介

初盆(新盆)について

初盆(はつぼん)とは亡くなられて初めて迎えるお盆のことをいいます。地域によって初盆以外の名称があり「新盆(にいぼん・あらぼん)」と呼ばれたりします。通常のお盆とは飾り方が違うのでこちらで詳しく解説いたします。

通常のお盆についてはコチラで詳しく解説しております。

また、お盆が終わった9月に「彼岸(ひがん)」というイベントもありますが、彼岸はお盆とは全く違う意味合いのイベントであります。

初盆の期間や時期は?

初盆の期間は通常のお盆と同じで8月13日~8月16日です。

お盆の正式名称は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」となり、仏教の考えでご先祖様があの世からこの世に帰ってくる期間です。お盆は1年に1回ありますが亡くなられて初めて迎えるお盆が初盆(新盆)です。

亡くなって1年未満であったり初めてのお盆をまだ迎えていない仏様を新仏(しんぼとけ)といいますが、あの世へ旅立ってから初めてこの世に帰って来るんだから特別にお迎えやおもてなししてあげようという行事です。

初盆であっても期間は通常のお盆と同じ8月ですが場合によっては初盆を行う時期が次の年になったりするケースがあります。

例えば6月末~8月に亡くなった場合お盆までに49日を迎えていないケースがあります。この場合は来年のお盆に初盆の法要を行います。しかし必ずしもそうではなく、四十九日法要を三十五日法要に繰り上げて行い初盆をその年に行うケースや、事情があって家族や親戚が集まれないまたは遠方に住んでいてなかなか実家に帰れないなど、施主の都合に合わせて初盆を行うケースもあります。

地方ではこのように何かしらの事情で都合で繰り上げて行うケースは少ないのですが、都心部では初盆だけに関わらず時代の流れに合わせたやり方が多かったりします。

都心部であっても初盆を本来のやり方で行うケースがあったり、寺院がこちらの都合を受け入れてくれない可能性もありますので檀那寺がある場合は要確認です。

初盆の準備をしよう!

迎え火・送り火

毎年のお盆・初盆を迎えるにあたってまずはお迎えをします。お迎えはお墓参りに行くことと迎え火を行うことです。新仏様はもちろんご先祖様も一緒に帰ってきますのでお墓を綺麗に手入れしてあげることが大切です。

墓石に水をかけて磨いてあげる、草を抜いてあげる、仏花を新しいものに替えてあげる、お線香を立ててあげる。そして最後に「おかえり」「ありがとう」という気持ちを込めて手を合わせましょう。

迎え火は玄関や庭先でオガラに火をつけて「家はここだよ」と新仏様に教えてあげるのですが、昔ながらの風習というこや火は危険という考えもあり行わないケースも多かったりします。

送り火はあの世へと帰られる際に迎え火と同じく火を焚いて煙を出し、その煙に乗って浄土へと帰っていきます。

初盆のお迎えとお見送りの日程

8月13日から16日がお盆なので13日の朝にお迎えをし、16日の夕方にお見送りをするのが理想といえますが、地域によって決まっていたりスケジュール的に難しい場合があります。また、お坊さんが初盆参りに来る日程もまちまちです。

  • 地域の風習に合わせる。
  • 予定に合わせる。
  • お坊さんのお参りに合わせる。

上記の3つの中で決めれば問題ありません。特に寺院は8月が非常に多忙で施餓鬼法要やお盆に加え初盆参りもありますので早い場合は8月10日前後に、遅い場合は14日にお盆参りに来るケースもあったりします。

お盆の前にお坊さんが参られる場合はその前日か来る日の午前中(お坊さんがくる前)、14日であれば通常の13日の午前中にお迎えをしましょう。お見送りの日は15日の夕方~16日の夕方にかけて行うケースが多いです。

初盆の飾り方について

初盆の飾り方

初盆の飾りつけは仏壇とは別に祭壇を設置し飾りつけを行います。祭壇は49日まで遺影・位牌・遺骨を安置していた祭壇を使用するケースが多いのですが、祭壇がない場合は机を出して飾っても問題ありません。

初めて迎えるお盆だから初盆だけは仏壇とは別にし、特別におもてなしをしてあげようという考えです。

初盆で飾る新棚について

新棚

祭壇には新棚(あらたな)と呼ばれる家のようなものを安置し、この中にお位牌や本骨壺(喉仏)を納めてお迎えをします。新棚は地域によっては「荒棚」と表記したり「おやしろ」と呼ばれたりもします。

一般的には左側のタイプの新棚をよく見かけますが、右側のような手作り感があり味があるものも存在します。右側が「オガラ」と呼ばれる麻の殻を骨組みにし「真菰(マコモ)」と呼ばれる植物を池から切って来て天日干しし編み込んで作成することから、手間がかかりますし作り手さんが減少していることから年々見かけないように感じます。

私が勤めていた会社では右側を作成していたこともあり、作り手さんの苦労は身に染みて実感できます。この時期池のマコモは虫だらけですし、炎天下の中干す作業や骨組みを組む地道な作業は大変でした。
新棚は必ず必要なの?

お盆の時期になると仏壇屋さんやホームセンターなどにおいて新棚が販売されていますが、必ずしも準備しなければならないという決まりはなく、日本で昔から行われていてる風習だということです。

しかしながら初めて迎えるお盆ですので初盆だけは特別な飾りつけを行ってあげてもよいのではと感じています。

仏具は白のもので統一します。

初盆では仏具を白で統一することが一般的です。初盆が終わるまでは新仏とされており初盆が終われば次の年のお盆は仏壇で迎えれます。

  • 白木の経机
  • 白の香炉
  • 白の花立て
  • 白のローソク台

を使用しお坊さんが参ってくれる準備をします。初盆が終われば白の仏具一式は処分となりますが、施行した葬儀社に言えば引き上げにきてくれますが、自分で処分しても問題ありません。

提灯(トーロー)は出すべき?

トーローは持っていれば出してあげましょう。明るく華やかに、またあの世からの帰り道に迷わないようにという意味合いです。地域によっては複数個出すこともありますが、1個でもよいですし2個出しても構いません。

葬儀で使用する提灯は一般的には使い捨てのものが多く、49日法要や初盆・一周忌法要が終われば使わないといったケースが多いです。お盆用の提灯として代表的なのは「岐阜提灯(ぎふちょうちん)」です。

1個持っていれば毎年使用できます。葬儀で使用するものはプラスチック製であることが多いのですが岐阜提灯は値段にもよりますが木製の骨組みです。

岐阜県は提灯の名産地でもあり日本三大盆踊りである「郡上踊り(ぐじょうおどり)」が有名です。

初盆でのお供え物について

お供え物は「霊供膳(りょうぐぜん)」「季節の野菜・果物」「生前中好きだった食べ物や飲み物」などをお供えします。祭壇に置いてもよいですし盆の上に置いて備えても問題ありません。盆の変わりにハスの葉の上にお供え物を置く地域もあります。関西地方ではハスの葉やそれを模した紙製のハスの葉がスーパーで売られていたりします。

お盆用霊供膳

霊供膳と呼ばれるお膳ですが一般的には「精進料理」が基本となります。ご飯・汁物・煮物・酢の物・漬物などをお供えします。精進料理は肉や魚を除いた内容ですが昨今では「そこまで気にしなくていいよ」という考えもあったりします。お盆に家族が集まってその時に食べる食事を供えてもよいという考えだってあります。

霊供膳は2セット準備!

初盆ではご先祖様の分と新仏様の分の2セット準備します。大変ですが最初の1年だけですので出してあげるのがよいといえます。お膳が1セットしかない、もしくは1セットもない場合は購入されてもよいですが家にある器で問題ありません。

お膳はいつから何回出せばいいの?

お膳は本来お迎えの日からお見送りするまで1日3回出しますが難しいケースが多いです。3食出すことが厳しい場合は最低1日1回は出してあげることが望ましいです。難しいケースもありますので各家庭に合わせたやり方でもよいです。

出したお膳料理についてはお下がりで食べてあげるのが一番よいとされています。お供え物も同じです。しかし、この時期はハエが多かったり衛生的に厳しかったりします。また、お線香の臭いがついたりもありえます。

衛生的に難しいという場合は処分しても構いません。

お下がりは仏様に食べてもらうために行うのではなく日ごろの感謝の気持ちを込めて行う行為であり、仏様に感謝をしてから自分たちが食べようという風習です。仏様は飢えも渇きもない浄土にいますのでお供え物は召し上がってもらうために行うのではないと解釈しています。

フルーツやお菓子などはお膳料理とは違い日持ちはするので傷む前に召し上がることが理想です。

スーパーで霊供膳が売っている!?

お盆の時期になるとスーパーや通販で霊供膳のセットが売っていたりします。生のものもあれば水で戻す乾燥タイプのフリーズドライのものがあります。

多忙であったりお膳を作るのが面倒な方向けの食料品です。仏様と一緒に同じものを食べるのがよいのですが、時間がない方はそちらでもよいかと思います。

盆菓子について

盆菓子(落雁)

砂糖でできた盆菓子はお盆の時期によく見かけます。こちらは「落雁(らくがん)」といお菓子なのですが、お盆の時期にお盆っぽいデザインを施したものが盆菓子です。新仏様が生前甘いものが好きだった場合やお盆の雰囲気をより出したい場合は購入されてもよいかもしれません。

キュウリとナスビの意味について

初盆(キュウリ・ナスビ)

お盆で飾られるキュウリとナスビには意味があります。「キュウリは現世に早く帰ってこれるように馬を模している」「ナスビはお浄土に帰る際にゆっくり安全に」という考えです。

棒状のものが4本刺さっていますが、足を模したものでオガラを刺します。オガラガ手に入らない場合は割り箸やつまようじ・竹串などでも問題ありません。

馬と牛をイメージして作成してください。

迎え火・送り火はオガラの使うことが一般的です!

お盆用麻がら

お盆の時期になるとスーパーやホームセンターで「麻がら(おがら)」と呼ばれる棒状のものが売っています。おがらは麻の茎で主に迎え火や送り火で使用します。また地域によってはオガラを短く切って霊供膳のお箸の代わりに使用するケースもあります。

迎え火や送り火を行う場合、玄関先などでオガラをもやすのですがそこまでボワッと燃えるわけではありません。しかし火の元には十分注意して使用しましょう。

浄土真宗では初盆は行わない!?

浄土真宗では仏教の中でも考え方が異なります。亡くなられて仏様となられるのですが、この世とあの世を行ったり来たりはしないという考えです。

この考えをみるとご先祖様や新仏様がこの世に帰ってこないのだからお盆や初盆もする必要はないと見受けられますがそうではないと思っています。

確かにお盆は霊がこの世に帰ってくるのでおもてなしをする行事ではありますが、仏教的考えよりも夏の風物詩であり日本の一大イベントというイメージを持っている方は少なくありません。

ですので仏教的考えというよりは日本の風習として取り入れ、初盆や通常のお盆の時期にお参りに行くお坊さんも多いです。しかし意味合いが異なります。

この世に帰ってくるからおもてなしをするのではなくて、今年も仏様のおかげで無事にお盆を迎えられたという感謝のおもいを込めてお盆を迎えると解釈しています。

飾りつけは他宗派のように新棚を飾ったり仏壇とは別に設置したりなどはしませんがお盆や初盆という意識はどのモントさんもあるのではないでしょうか。

一部、新棚を飾り仏壇とは別に初盆をするという方もいます。理由としては周りがそうしているから、実家が浄土真宗ではなく初盆をそのようにしていたからなどさまざまな理由があります。

結論をいえば他宗のように特別に飾る必要はないが、したいのであればしてもよいと思います。お盆に対しての考え方は違いますが「感謝する」というということは共通しています。

お坊さんへの御布施はいくら包めばいい?

初盆での御布施は20,000円~50,000円の範囲が多く感じますが寺院に要確認です。通常のお盆では5,000円~10,000円の範囲内が多いのですが初盆は新仏にとっては1回限りの特別な行事です。

袋の書き方は「御布施」と記述し、下に名前(苗字・フルネーム・○○家)を書きましょう。住所は不要ですが金額を裏側に書いておくと丁寧です。

神道の場合は初盆がある!?

神道も初盆はあります。神道でのお盆の過ごし方はコチラにも記述していますが、仏式の初盆と同じように行います。

「お墓参り」「お供え物やお膳」「迎え火や送り火」など共通していますので、新仏様はもちろんご先祖様に対してもしっかりとおもてなしをしてあげましょう。

初盆が終わったら何をすればいい?

初盆が終わりお見送りをした後は片づけをします。お供え物が傷んでいれば処分し仏壇と別に飾りつけを行っていた机などを片付けます。

特に新棚の処分ですが「お墓のゴミ捨て場で処分」「自治会で処分する場所があればそこで処分」「可燃ゴミの日に出す」「葬儀社に取りにきてもらう」という方法があります。

川に流していたという地域もありますが現在はほとんどありません。ですので最終日にお墓に行くのであればお墓のゴミ捨て場に、自治会でそのような場を設けているのであればそちらで処分しましょう。タイミングを逃した場合は直近の可燃ごみの日に出せば問題ありません。

川に流すという地域は実はまだあります。少し下流の方にネットを設置し時間がくればゴミ収集車が回収にきます。自治会や地域の許可なしに川に流すと不法投棄になりかねないでの辞めておきましょう。

地域によってはお焚き上げもあります。

お焚き上げ

寺院や自治体が主催している「お焚き上げ」という行事を行っているケースもあります。位牌や人形供養などでも行ったりしますが大切なものを燃やして供養する手法の一つです。お盆の時期に新棚や提灯、傷んだお供え物などをお焚き上げするイベントがあったりしますので調べてみるのもよいかもです。

ご先祖様もしっかりとおもてなしをしてあげましょう!

こちらでは初盆についてのマナーを記述していますが仏壇(ご先祖様)の方もしっかりと供養しなければなりません。初盆は2つに分けて行いますので非常に大変です。しかし、初めて迎えるお盆は特別であり、その年だけの行事になりますので極力手厚くもてなしてあげることが理想です。

初盆で自宅に親戚や近所の方・友人・知人などが訪れた場合の対応は?

初盆での接待

毎年訪れるお盆では家族だけで過ごすケースが多いのですが、初盆は特別ということで一般の方がお参りにくるケースが多かったりします。

確実に来るであろうと予想できる場合は「お茶」だけでも準備しておいたほうがよいかもしれません。茶菓子や返礼品など言い出したらキリがありませんが、少し会話をするケースは多かったりしますのでマナーとしてお茶は出してあげるのがよいといえます。

この時期ですので淹れたての熱いお茶よりも冷たいお茶(麦茶や緑茶)でよいと思います。ペットボトルのお茶を器にそそぐだけでよいです。こちらも楽ですし相手も冷たい方が嬉しいと感じると思います。

長居すると予想出来る場合は茶菓子を準備しておいてもよいですが、返礼品に関しては特定の人だけでよいと思います。例えば遠方から訪れる人や生前中特に縁が深かった人などです。

遺族以外の親戚がお参りにくるのであれば、そこまでかしこまらなくてもよいかと思いますがある程度長居はするケースが多いのでお茶や茶菓子、滅多に会う機会がないのであれば返礼品を準備してもよいかもしれません。または会食の席を準備して故人の思い出話などをし偲ぶのもよいでしょう。

初盆(新盆)についてのまとめ

こちらでは初盆(新盆)の飾り方や準備・過ごし方についてご案内いたしました。

初盆は亡くなられてから初めて迎えるお盆なので特別にもてなしてあげようというイベントです。期間は通常のお盆と同じですが仏壇とは別に祭壇を組んで飾りつけを行うこと、仏具は白で統一すること、新棚という点が通常のお盆とは異なります。

霊供膳もご先祖様の分と新仏様の分2つ出すのですがスーパーでセットが売っていたりフリーズドライのものが売っていたりします。お盆はバタバタと忙しい時期ではありますが、初盆は特別なお盆だということを頭に入れて過ごされてはいかがでしょうか。

一級葬祭ディレクター/中原優仁【記事監修】厚生労働省認定
一級葬祭ディレクター/中原優仁

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