一級葬祭ディレクター/中原優仁 |
目次
貝塚市の方が自ら命を絶たれた場合の葬儀の流れや手続きについて
貝塚市に限らず日本全国において自ら命を絶たれる方はいらっしゃいます。
病気や老衰とは違い非常に辛く、パニックになってしまうのが現実です。
遺族側が「覚悟をしていた」という意見もありますがごくごく一部です。
こちらでは貝塚市の方が自死・自殺された場合どうすればいいのか?葬儀や火葬の流れについてご案内申し上げます。
まずは救急車を

自死と見られる方を発見した場合は、まず救急車(119番通報)を呼びましょう。
- 長時間経過し腐敗している
- 死後硬直している
- 身体が冷え切っている
など、明らかに死亡していると判断できる場合は警察(110番通報)への連絡で問題ありませんが、医師ではない限り判断は難しいです。
- 呼吸や脈拍がないかもしれない
- 声を掛けても反応がない
- 出血を伴っている
など、判断が難しい場合は迷わず救急車を呼ぶことが重要です。
救急の方の問いに正確に答え、救急車が来るのを待ちます。
注意点としては生存の可能性がある場合、蘇生の処置(心臓マッサージや人工呼吸など)は問題ありませんが、そうでない場合現場検証がに支障がでたりしますので、むやみやたらに人や物を動かしたりは避けておきましょう。
ほとんどの場合、貝塚警察署に搬送され監察医や検察医が死亡の判断と死因の特定(検案)を行います。
他殺や事件に巻き込まれた可能性がある場合、病院に運ばれ解剖を行ったりすることがあります。
葬儀社への連絡について
死亡の確認が終えると、警察の方から葬儀社への連絡を促されます。
お決まりの葬儀社に連絡をし貝塚警察署へとご遺体の引き取りに来てもらいます。
葬儀社の到着まで時間がありますのでその間に「検案書」や「遺留品」を受け取り、死因や状況などを警察の方から説明を受けます。遺留品とはその際に身に着けていた衣服や所持していた物品をいい、霊安室内では裸の状態で納体袋に納められています。
葬儀社が到着するとご希望の安置場所(葬儀会館や自宅など)へ搬送しご遺体を安置します。
葬儀内容を決める
非常にお辛いとは存じますが、葬儀内容や日時を決めないといけません。
自死や自殺された場合、身内のみで家族葬を行うケースが多いのですが、一般の方が参列する葬儀を行う方もいらっしゃいます。身内や親戚とよく話し合って決めましょう。
直葬を行う方もいらっしゃれば、一日葬や二日葬などさまざまな形式で行われます。
遺族が生活保護を受給している場合は貝塚市より葬祭扶助を受けることができますので葬儀費用がかかりません。しかし、亡くなられた方のみが生活保護受給者の場合は葬祭扶助が適用されませんのでご注意を。
貝塚市役所への手続きについて
打ち合わせの際、死体検案書に必要事項を記入し貝塚市役所にて火葬場の予約を行います。ほとんどの場合葬儀社が代行してくれますので、お葬式の準備などに時間を充てましょう。
訃報の連絡
死亡したことを知らせる必要がある方や参列してもらう方に対して連絡を行います。
しかし「なぜ死亡したのか?」と聞かれる可能性がありますので、訃報の連絡をどこまで行うかについてはしっかりとした判断が必要です。
自殺・自死された方の葬儀に限らず、葬儀を行う旨を伝えると話が広がり大勢の方が参列される可能性があったりします。
宗教者への連絡
お決まりの寺院があれば連絡をし、葬儀の日時を伝えましょう。無宗教であれば呼ぶ必要はありません。
もしお付き合いのある菩提寺などがない場合は葬儀社が紹介してくれますので心配はありません。
お葬式の準備について
葬儀の日時が決まりましたら喪服や数珠、副葬品などの準備を行います。
喪服は身内のみでしたらきっちりとした喪服ではなくダーク系のスーツや黒系の平服などで臨む方も多くいらっしゃいます。
副葬品とはお棺の中に納める品物をいいます。
貝塚警察署で預かった遺留品についてはお棺に納めるケースもあれば自身で処分する、葬儀社に処分してもらうなどさまざまなケースがあります。
遺留品の中には携帯電話や財布・貴重品などが紛れ込んでいる可能性があり、警察の方が避けといてくれますが念のためよく確認しておきましょう。
ご遺体の処置について
葬儀社がご遺体を引き取りますが裸の状態で処置なども一切施されていません。
自殺・自死された方の場合納棺師を呼んで清拭や湯灌を行うことが多いです。体液や血液などの漏出があったり、体が汚れていたりしていることが多いので必要があれば納棺師に処置をしてもらいましょう。
葬儀の流れについて
葬儀の流れ自体は同じです。
通夜式や葬儀を終え貝塚斎場にて火葬を行い、お骨上げ・初七日法要となります。食事については辛いお気持ちの中食欲がないかと存じますが少しでも召し上がっておいた方がよいかもしれません。
葬儀後は葬祭費の申請を!
葬儀が終わると貝塚市役所にて各種手続きを行います。その際に「葬祭費(埋葬費)」の申請を行うと5万円が支給されます。
ただし、亡くなられた方が社会保険(国民健康保険)や後期高齢者医療制度に加入している場合に限り、生活保護を受給されている場合は葬祭費の申請は行えません。
こころのケアについて
自死で大切な方を亡くされた場合、メンタルの状態が非常に不安定になってしまうことが当然です。
相談に乗ってくれたり話し相手になってくれたりなどのグリーフケアが必要な場合も少なくありません。
サポートが必要な場合、厚生労働省が運営している「こころの耳」というサイトがあります。
遺族のお話を聴いてくれたり、こころのケアを支援してくれる団体です。
自分が日々、つらい思いで生活している場合は専門機関をご利用ください。
ご家族の自死により、遺された人々には様々なこころの問題が起きてきます。特に発見した方などは、強い衝撃を受けてしまいます。こころのコントロール能力を超えた強い衝撃に対し、うまく対応することができない状態となります。非常に強いストレスに対する「正常な反応」と言ってもいいでしょう。多くの方は時間の経過とともに徐々にこころの傷は和らいでいきますが、長期にわたって和らいでくれないことがあります。
そのようなときは、親しい方、信頼している方などにそのお気持をお話しください。また、同じお悩みの方々同士でお話しをすることにより、心の安らぎを取り戻すことにつながります。さらに、「長く続く」「今でも傷は大きい」などで、日常生活を送っていく上で支障があれば、専門機関にご相談ください。
引用元URL:厚生労働省「こころの耳」
貝塚市で自死・自殺された方の葬儀の流れや手続きのまとめ
こちらでは貝塚市の方が自ら命を絶たれた場合の葬儀の流れや手続きについてご案内いたしました。
万が一自死と見られる方を発見した場合は119番通報し、蘇生処置が難しい場合は人やものをむやみに動かさないこと。
葬儀社に連絡をし、葬儀内容や日時を決め参列者への連絡については誰を呼ぶかなど身内とよく話し合って決めること。
葬儀後はまだ実感が湧かず、月日が流れるにつれて辛いお気持ちが強る場合が多いので話し相手や相談できる方にサポートしてもらうことが大切です。
一人で悩みを抱え込むのは心身ともに負担が大きくなります。こころのケアやサポートを支援してくれる機関がありますので、そちらを利用することが望ましいです。











