【記事監修】厚生労働省認定 一級葬祭ディレクター/中原優仁 |
目次
赤ちゃんや子供が亡くなった場合の葬儀について
ほとんどの場合は60代~70代でお亡くなりになられますが、中には赤ちゃんや子供を亡くされるケースもあります。
50代でも若いと感じますが、特に10歳未満や30代以下であれば親御様より先に天国へ行かれますので非常に辛い状況であるといえます。
しかし、誰であれいつ何が起こってもおかしくないということが現実でありますので、こちらでは赤ちゃんや子供が亡くなった際の葬儀の内容や葬儀の流れ・心構えについてご紹介したいと思います。
赤ちゃんや子供が亡くなる原因
赤ちゃんがお亡くなりになられる原因としては先天性の病気であったり就寝時の窒息死があります。就寝時ではうつぶせに寝返りをし布団に顔が埋もれたり親御様と一緒に寝ている際、親御様の腕や足が赤ちゃんの気道を塞いでしまったりなどさまざまな要因があります。
また、乳幼児突然死症候群(SIDS)と呼ばれ、今まで元気だったのに急死するケースも多いようです。
20第未満の子供も同じで疾患があったりなどの原因もありますが、誹謗中傷や学校内でのイジメによって自らの命を絶たれるケースも少なくありません。
特に大きな病気もなく老衰が理想の亡くなり方ですが、この仕事をしているとさまざまな年代の方がさまざまな要因で亡くなられ、時には辛く悲しかったり複雑な気持ちにもなったりします。
赤ちゃんや子供の葬儀はどんな内容?流れは?
赤ちゃんや子供のお葬式は両親の葬儀よりも特に辛いと感じます。親御さんも若く生まれて来たばかりの大切な命が絶たれるからです。10代、20代においても将来が楽しみである中突然いなくなるということで悲しみが深いです。
しかし、亡くなられた以上お葬式(火葬)を行わないといけません。葬儀の流れは成人の葬儀とさほど変わりません。葬儀社が病院にお迎えに行ったり、自宅へと伺いドライアイスの処置をし打ち合わせをします。
役所(役場)への手続きは葬儀社が行ってくれますので任せておきましょう。
参列者はどこまで呼べばいい?
お通夜と葬儀告別式の日時が決まれば参列者を決めるのですが、家族葬や身内のみで行う葬儀が多いです。特に悲しみが大きいことから参列者を招くとそれだけ心身ともに負担が増えます。
- 自分達
- 祖父母(自分たちの両親)
- 曾祖父、曾祖母(自分たちの祖父母)
- 自分たちの兄弟
など、身内や本当に気を遣わない方のみだけで行うことが多いです。
どこまで呼ぶかは精神的状況によって異なりますし自由なのですが、参列者が多ければ多いほど葬儀やお別れに集中できないというのが現実です。
しかし、身内には知らせておいたほうがよいです。自分達と同じくらい悲しく辛いので本音で気持ちを共有できる唯一の関係です。
訃報の連絡
もし自分の子供が亡くなった場合は参列者以外では「学校」「会社」には連絡をしておきましょう。学校であれば担任の先生、会社であれば上司に訃報で忌引きをすることを伝えておきます。
大々的に知らせたくない場合は「家族葬(身内のみ)で行う」という旨を伝え、その他の方に知らせる必要があれば後日でも構いません。
しかし「友人」や「習い事の先生や生徒」などにも伝えておくことも必要な場合もあります。後々知って「教えて欲しかった・・・」となるケースもあったりします。
どうしても口が軽い方もいますので広まってしまうケースが多いのですが・・・・・そこは家族で話し合って知らせておいた方がよいのかを判断しましょう。
喪主は誰がする?
本来喪主を誰が行うかというのは一般的に決まっていますが別に誰が行っても構いません。
赤ちゃんや子供が亡くなった場合は夫または妻が喪主を務めるのですが、心身共に辛くとても喪主をできないような状況であれば両親や兄弟に任せても問題ありません。
成人や高齢者の葬儀でも同じですが無理してまで喪主を務める必要はないといえます。
寺院(お坊さん)は呼んだほうがいい?
実家を離れ家を構えている場合、若い方は仏壇がないケースがほとんどです。
その場合、両親に相談しましょう。自分たちが宗教を信仰していないのであれば呼ぶ必要はありませんが、両親にも考えがあると思いますので、まず夫婦で話し合いその気持ちや意見を両親に相談し、宗教者を呼ぶか呼ばないかを決めるとよいです。
年齢によって戒名の違いがある!
【死産・流産】 生まれる前なので「水子(すいし・すいじ)」となり戒名を付けないことがほとんどです。一般的には「みずこ」というのですが、戒名では音読みになります。「水子之霊位」「〇〇家水子之霊位」などが一般的です。 |
【~1歳】 男の子であれば「嬰子(えいし)・嬰児(えいじ)」となり「〇〇嬰子」などの戒名が付けられます。女の子であれば「嬰女(えいにょ)」となります。 |
【~3歳】 男の子であれば「孩子(がいし)・孩児(がいじ)」となり「〇〇孩児」になります。女の子は「孩女(がいにょ)」になります。 |
【~15歳】 男の子であれば「童子(どうし、どうじ)」となり「〇〇童子」「〇〇善童子」「〇〇大童子」などになります。女の子は「童女(どうにょ)」になります。 |
宗教・宗派によって戒名は異なりますが、成人に満たしていない方が亡くなった場合は一般的な戒名とは異なったりします。
浄土真宗では子供も大人も同じ仏になるから戒名(法名)は同じという考えです。
昨今では今後において仏壇やお墓などを管理する者がいないため区切りをつけるケースも多いので、自分たちの気持ちや意見を両親に伝えて決めるとよいです。
祭壇はどうすればいい?
祭壇は葬儀社が提案してくれますので、そこから選ぶか自分達でインターネットで調べ理想の祭壇を飾ってもらえばよいです。
赤ちゃんや6歳未満であれば風船をあしらったり、ぬいぐるみをあしらったり好きだったおもちゃなどを祭壇に飾り可愛らしい飾りつけをすることもあります。
一般的な花祭壇などでも問題ありませんので葬儀社の意見と自分たちの意見が合うようにしっかりと打ち合わせを行いましょう。
お棺や副葬品について
お棺にはさまざまなサイズがあり、一番小さいものであれば30cmほどの棺桶があるので心配はありません。
特に赤ちゃん用であればヒラヒラのレースが付いていたり、可愛いキャラのプリントが施されていたりなど種類は豊富です。
副葬品を納めることも可能で赤ちゃんであればおしゃぶりや洋服・お菓子など、ある程度の子供であれば好きだった食べ物や飲み物を納め、よく着用していた服装に着替えさせてあげることも可能です。
自宅で葬儀をしてあげるのもオススメ!
参列者を限定する場合、自宅で家族葬を行うのもオススメです。
お葬式を葬儀会館で行うことが当たり前になっていますが、自分達も子供も一番落ち着く場所が自宅であり、無駄な移動も必要ありませんのでゆっくりとお別れができる空間です。
しかし、近所の方に葬儀を行っていることが分かってしまい参列される方や「何かあった・・・?」と訪れる方がいる可能性もありますので、心配な方は葬儀会館で行う方がよいかもしれません。
霊柩車ではなく自家用車での出棺も可能です!
子供の年齢や身長によっても異なりますが、赤ちゃんであれば自家用車で火葬場に向かうことも可能です。
お棺が小さく軽自動車でも乗せれますし、火葬場まで子供を抱きかかえていても問題はありません。一部死亡診断書や火葬・埋葬許可証を携帯していなければダメという意見や霊柩車(一般貨物)登録している車両でなければ遺体を搬送できないというデマも流れていますが、実際は問題ありません。
※料金の発生などでは不可です。
死体を搬送するときに,死亡診断書の携帯が必要であることを定める法令はありません。営業用自動車であっても,自家用車であっても,死亡診断書の携帯は義務付けられていません。
引用元URL(日本医事新報社):https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=9102
しかし、自家用車に乗せれるお棺やご遺体のサイズも限度がありますので小さいお子様であれば自家用車での出棺も可能ということになります。
参列のマナーについて
友人や知人の赤ちゃん・お子様の訃報を聞いた際は気軽に参列するのは避けておきましょう。
悲しみが深く人にその姿を見せたくないという方も多いです。直接連絡があればその際に参列の可否を伺い、辞退しているのであれば落ち着いた後日お悔やみに行きましょう。
間接的に訃報を聞いた場合、いくら仲がよくても自分の判断だけで参列するのは避けるべきだといえます。
もし参列可能であり一般的な葬儀をするのであれば通常の参列でもよいのですが、悲しみが深いようであればお通夜式やお葬式前にお悔やみの挨拶程度にしておくことが望ましいともいえます。
葬儀後のアフターケアー
大切なお子様を亡くされ心に穴が空いてしまい、しばらく立ち直れないというケースは当然であり多くあります。
しかし、専門家やサークルなどに参加し同じ境遇にある人達とコミュニケーションをとることやグリーフケアを受けることで緩和されるケースもあります。
死別された方や死別悲嘆のサポートに関心をお持ちの方へ
日本グリーフ専門士協会は、語り、学び、集う、多様な場を創造し、
死別悲嘆の総合支援グループとして社会に貢献してまいります。引用元URL:https://grief-japan.net/
家族間で協力し死の悲しみを乗り越えるという方法もありますが、同じ境遇の人たちもたくさんいます。同じ境遇の人と話し合い、そしてどういう方法で乗り切れたのかなど経験者からのアドバイスも非常に参考になると感じます。
インターネットで検索しても書いていたりしますが、「死」に関してだけではなく嘘か本当か分かりませんので実際に同じ立場の人や乗り越えた人とコミュニティーを持つことで気持ちが緩和されると感じます。
赤ちゃんや子供の葬儀のまとめ
こちらでは赤ちゃんや子供の葬儀についてご紹介いたしました。
成人や年配の方の葬儀に比べると悲しみが強く辛いお葬式になると感じます。子供のお葬式に関わらず心身共に難しい場合は他の家族や親戚に頼ればよいです。
頼る人がいないのであればお葬式を行う葬儀社に相談すれば協力してくれます。また、葬儀後はしばらく実感できないというケースも多いのでグリーフケアのコミュニティに参加してみるのもありだと思います。
公開日 2024年10月1日|最終更新日 2024年10月1日