【記事監修】厚生労働省認定 一級葬祭ディレクター/中原優仁 |
目次
葬儀社の選び方について本音でアドバイス
人が亡くなった場合葬儀社を手配しなければなりません。葬祭業もレッドオーシャン(激戦)になりつつあり、会員制や互助会または会員登録が不要な会社もあり日本全国たくさんの葬儀社があります。
葬儀会員や互助会に入っている場合はそこで葬儀を行うことがほとんどですので、こちらでは会員や互助会(積立)に入会していない方に向けて失敗しない葬儀屋の選び方について詳しく解説していきます。
まずは事前に葬儀社を決めよう!
亡くなる前に自分の死後や葬儀を検討する「終活(しゅうかつ)」という活動があります。
終活とは具体的に生前にエンディングノートを書いたり、家族に葬儀の内容や遺産相続などの事項を伝えておくなど自分の死後について意思を伝えておくことです。 |
当然ですが自分にせよ親にせよ縁起が悪くて避けているケースがあります。または闘病や介護でそれどころではないという場合も非常に多いです。
しかし、失敗しない葬儀社選びで一番重要なのは事前に葬儀屋を決めておくことです。
昨今では誰でもインターネットを利用しており、葬儀社に限らず何でも自分で選べる時代になっています。自由に選べるはずなのですが「人の死」ということで事前に探さず、亡くなってから探すという方も非常に多かったりします。また、自分自身の葬儀を検討する方は少なく、中には親の葬儀の相談を内緒で行う方も多くいらっしゃいます。決して悪いことだとは思えません。
実際夜中に問い合わせがあり「色々葬儀社を調べているんです・・・。」「費用について教えて下さい・・・。」などの問い合わせはよくあります。
お客様は早く葬儀社を探さないといけないし、葬儀社は早く決めてもらわないと段取りできないしということでお互いの意思疎通が上手くいかないケースだってあります。
葬儀社は慣れていますがお客様は悲しみの中急いで葬儀社を探している状況にあり「もうここでいいか・・・」となっているように感じます。実質妥協となりますが【ここで良かった・最悪だった】はぶっちゃけ葬儀社ガチャはあります。
満足いく葬儀社に当たる場合ももちろんありますが、いちかばちかで選ぶよりは事前に決めておく方が確実となりますので、終活を行うか家族が事前に下調べをし葬儀社を決めておくことが非常に重要です。
事前に葬儀社選びをできなかった場合は記事の最下部にて記述しています。
いつ葬儀社を決めればいいのか?
葬儀社を決めるタイミングはいつでもよいです。ご本人であれば元気な内がよいといえます。その家族であれば「余命宣告」を受けた時点で葬儀のことを頭に入れておいた方がよいかもしれません。
余命宣告を受けた時点では時間には少しゆとりがありますので、葬儀社を選ぶ時間には十分だといえます。
どうやって葬儀社を探せばいいの?
住んでいる地域の葬儀社に相談するかインターネットで検索して探すかの二択です。各葬儀社によって費用やサービス内容は異なりますが、最寄りに気になる葬儀会館があれば直接出向くとよいです。会館の見学ができますが葬儀中であれば改めてとなりますので事前に日時を確認しておきましょう。
インターネットで調べるのも全然アリです。メリットはいつでもどこでも相談ができますが、会館の施設や設備に関してはイメージと異なる可能性はあります。また、インターネットでは葬儀社を紹介してくれる仲介業者が検索すると上に出てきます。しかし仲介業者は地域の葬儀社と提携していますので会館の下見などはできますので施設や設備が気になる方は出向くとよいでしょう。
仲介業者のデメリット
迅速に葬儀社を手配してくれますが、手配された葬儀社は仲介業者に1割~3割程度支払わなければなりません。その分どこかで経費を抑えないといけないのが現実です。
なぜ葬儀社を決めておくことが一番大事なの?
費用面やサービス内容面において「えっ・・・?」となる可能性があります。トラブルになるケースもありますが、泣き寝入りする方も多いと思います。
お客様が持っている葬儀社の怖さは「見積もり金額と請求金額が全然違った」ということだと思います。昨今では葬儀費用が高い安いはありますがボッタくりなどはありません。
短時間で葬儀社を選ぶとなると追加費用がかかる・かからないという面でお客様が聞き逃した、葬儀社が言っていなかったということが多かったりします。また葬儀内容や付属品などがイメージと違ったなどがあります。
一番重要な部分である「故人の意向・遺族の意向」を葬儀社に伝えるには時間がある生前中に行わないと満足のいく葬儀が行えない可能性が大いにあるということになります。
以上のことからいきなり葬儀の依頼をするのではなく、事前に葬儀社を決め具体的な費用を把握しておくことが重要になります。
何を基準に葬儀社を決めるべきか!?
葬儀を依頼して葬儀を終えるまでの流れというのは過去に喪主や喪家として葬儀を経験していないと分からないというケースがほとんどです。こちらで葬儀社選びの基準を解説していきます。
何社かの葬儀社で葬儀内容や費用の確認をしよう!
まずは葬儀費用が気になると思います。昨今では家族葬が主流ですが一般葬だから高い、家族葬だから安いという訳ではありません。家族葬は費用を抑えることができるから実質安くなります。
- 祭壇は小さくていい
- 返礼品が少数
- 食事の数が少数
- 寺院が一人だけだから御布施金額が減少
などにおいて費用を抑えることができるのは確かです。しかし、地元の葬儀社であれインターネットの紹介業者であれ直葬・火葬式・一日葬・二日葬・一般葬などでは葬儀費用が異なります。
お坊さんを呼ばない場合
無宗教である場合は宗教者を呼ばないと思います。中には無宗教であっても日本の風習を意識し寺院を呼ぶ場合があります。お坊さんを呼ぶと御布施というお礼(お金)を宗教者に渡すことになりますのでその分費用は上がります。
お坊さんを呼ぶ場合は
お坊さんはお通夜とお葬式の二日間来るケースが多いのですが、昨今では葬儀告別式の一日だけお参りに来るスタイル「一日葬」が増加傾向にあります。葬儀社の紹介寺院であれば御布施が半分くらいになったりしますが、昔からお付き合いのある檀那寺であればそうでない場合や、一日葬を引き受けてくれないケースもあるので要確認です。
無宗教の場合
無宗教であれば宗教者のお礼は不要ですので、祭壇を付属させるかどうかで葬儀費用が異なります。費用を抑えたいのであれば直葬や火葬式、焼香や献花を行ってしっかりと供養やお別れがしたいのであれば一日葬や二日葬などを選択されるのがよいです。
直葬は安いけど注意が必要!
直葬はどの葬儀社でも一番安い葬儀プランです。しかし、数万円代(~10万円以内)であれば葬儀社が安置室に預かり火葬当日に斎場で待ち合わせし、お別れをしない内容が多いので最後に顔を見たり副葬品を納めたりしたい場合は要確認です。
オプションの確認
オプションには「親族一同などの供花」「納棺師」などがあります。供花は葬儀の祭壇をより華やかにするもの、納棺師は故人の姿をよりやすらかな姿にするサービスです。不要であれば伝えたらよいかと思います。
変動費用について
変動費用は「粗供養品」「飲食費」など人数によって変動する費用です。身内のみの家族葬であれば返礼品や食事を準備しないケースも多いので不要であればその旨を葬儀社に伝えておきましょう。
また、火葬料金は各自治体によって異なります。こちらは必ずかかる費用となるため葬儀費用に加算されます。
何社かの葬儀社で相見積もりを!
時間に余裕があるのであれば3社~5社程度相見積もりを取るのもよいです。葬儀費用が最大半額になるケースもあります。大手葬儀社よりも中小零細・個人経営の葬儀社は料金が安いところが多いです。
方法としてはA社で見積もりをしB社で「A社では○○円でした。もう少し費用を抑えたいです。」という旨を伝えます。こちらを数社に問い合わせするとよいでしょう。
葬祭ディレクターについて
ホームページなどに一級葬祭ディレクター在籍など書いていますが、在籍しているからいい葬儀社・いい担当者だという判断材料にはなりません。資格を持っていなくてもお客様に寄り添ったサービスをしてくれる葬儀社や担当者は大勢います。
集客や信頼獲得のための一つの手段だと思っておいていただくとよいです。
葬儀担当者も重要!
葬儀の施行は担当者によって大きく変わります。葬祭ディレクターの資格を持っているかいないかは関係ありません。葬儀を紹介してくれる業者ではオペレーターは電話対応のみで施行は加盟している葬儀社が施行しますので担当者のイメージは把握できません。
しかし事前に葬儀社に出向いて直接相談をすると担当者の対応が把握でき人柄も少し見えるかもしれません。「感じがよかった」という担当者を選ぶのもよいでしょう。
事前相談や見積もりの担当者と葬儀施行担当者が異なるケースもありますので、気に入った担当者がいればその担当者が葬儀の施行をしてくれるのかの確認もしておきましょう。
事前に葬儀社を決めていない場合は?
葬儀社が決まっておらず葬儀の依頼を行わないといけない場合は、
- 病院に葬儀社を聞く
- インターネットで急いで調べる
- 他の親戚や友人・知人に聞く
という方法しかありません。葬儀費用面では損をするケースもありますが仕方がありません。信頼のおける人に葬儀社を教えてもらいましょう。
また、亡くなられたら遺族は病院や施設にいるケースが多いので、遺族に協力してもらい手分けしてインターネットで探すのも一つの方法です。
葬儀社の選び方まとめ
こちらでは葬儀社が決まっていない方が葬儀屋選びに失敗しない方法を解説いたしました。
事前に葬儀社を決めておくことが非常に重要であり、葬儀内容・葬儀費用(祭壇・オプション・御布施・変動費用・火葬料金)の総額を確認しておくとよいです。
そして相見積もりを行うと葬儀費用が最大5割程度安くなるケースもありますので3社~5社程度に問い合わせることが損をしないコツだといえます。