エンディングノートとはどんなもの?
エンディングノートをご存じですか・・・?
自分の最期である「葬儀」について書き記すノートですが、昨今では自治体や葬儀社で無料で配布していたり、本屋さんやインターネットでも1,000円~2,000円程度で売られており、ファイル式など機能が充実したものであれば6,000円くらいするものもあったりします。
こちらではエンディングノートについて詳しくご紹介いたします。
エンディングノートの目的
法的効力を有する文書である遺言とは異なり、エンディングノートは万が一のとき(葬儀)個人的な希望や、家族に知っておいてもらいたいことを記すノートになり、「終活(しゅうかつ)」の一環となります。このことから「終活ノート」と呼ばれたりもします。終活とは死と向き合い「死後」について真剣に考え、自分らしい人生の終わりを迎えるための準備・活動を行うことです。
また、残された家族も気持ちの準備やものの準備・金銭的な面・葬儀やその後の手続きなどでの判断材料となり心身の負担が軽減されるケースも多かったりします。
人生の最後は完全に人任せではなく、自分自身でしっかりと決めることを目的とし記述するノートがエンディングノートです。「口では伝えづらい」ことを伝えるためのノートでもありますが、自分一人で書くのではなく家族と一緒に作成することで今まで話せなかったことなどを話すきっかけになったりもします。
どういう場面で役立つの?
お葬式 | 葬儀の際の形式(宗教)や予算、参列者(家族・知人・友人)をどこまで呼ぶかという時にお困りの場合。 |
病気や事故 | 輸血や臓器移植、延命措置など急を要する場合。 |
認知症 | 大切なことを忘れてしまい家族に伝えることができない場合。 |
要介護 | 身体が不自由になり、身の回りの管理ができない場合。 |
相続 | 預貯金や不動産、有価証券は相続の手続きが必要ですが、借金も相続財産となります。 |
などの事項において遺族は大変助かります。ほとんどの場合亡くなってから葬儀の内容を皆で話し合って決めてという流れですが、エンディングノートを記述していれば遺族は判断材料になります。最終的には喪主や遺族が決定を行うのですが、自身(故人)の意向をメインに葬儀の内容を決めることができます。
エンディングノートを書いていないと、家族葬を希望だけど参列を希望していない人まで来たり、葬儀内容(お坊さんを呼ばなくてよいのに来る)であったり、葬儀費用が大幅に違ったりなどは十分あり得ることです。
死んでしまったら関係ないという考えもありますが、残された遺族が故人の意向が分からない場合遺族の考えや意向中心の葬儀になりますし、悩んだり困ったりすることは必ず起こります。遺族の負担は減るということは間違いないです。
ノートを書くときのポイント
1.まずは名前とノートを付け始めた日付を書きましょう |
エンディングノートを付け始めるきっかけになると同時に、誰がいつ頃書き始めたかということが、ご家族にわかってもらえます。 |
2.無理をせず、興味のあるページから記入する |
ノートを書き始める場合、個人情報やご家族・知人・友人の連絡先など優先的な項目もあるのですが、初めのページから付けるのではなく、興味や気になる事項から記入する事がエンディングノートを完成させるポイントです。もしご家族に、もっと自分自身のことを知ってもらいたい場合は、自身に関する項目から書き始めましょう。 |
3.保管場所について |
保管場所が、自分だけにしか分からない場所に保管しておくよりは、配偶者や信頼の出来る方など、もしもの時に見てもらいたい方には保管場所を伝えておくのがよいでしょう。もしもの時に家族に見てもらえなければ意味がありませんし、期限がある重要な事項など記入されていた場合、期限切れで無効となってしまえば大変です。 |
4.筆記用具 |
遺言とは違い法的な効力はないとはいえ、もしかすると書き換えられるという可能性を考えれば鉛筆やシャープペンシルを避け、ボールペンなどがよいでしょう。消せるボールペンなども避けておくことが無難です。 |
何を書けばいいの?
基本的な事項
- 名前とふりがな
- 生年月日、血液型
- 住所と本籍地、出生地・・・本籍地は喪主様、ご家族がわからず悩まれることが多いので記入されるのがよいでしょう。
- 固定電話と携帯電話の番号
- 両親、兄弟の名前や連絡先
- 勤務先の所在地や電話番号、代表者(社長)や仲の良かった同僚の連絡先
- 知人や友人、仲間同士で〇〇会に参加されていた場合、その代表者の名前や連絡先
- 趣味(嗜好品)や特技、これまでに取得した資格などについて
- 好きな食べ物や飲み物
- 名前の由来やニックネーム
- 自身が思う、自分自身の性格について
自分自身のことや連絡先となり、一番大切な事項だといえます。家族が自分について知らなかったことを発見出来たり、意外な一面が分かったりします。お葬式に参列してもらいたい方にはチェックや記入をしておきましょう。
現在までの経歴や思い出について
- 幼いころから最終学歴までのこと・・・入学日や卒業日、学校名や先生、友達の名前、得意な科目や部活、サークルについて
- 学校を卒業し社会人になり、現在まで至ること・・・入社日や仕事内容、実績や役職などについて
- 幼少期から学生時代、社会人のときの思い出や記憶に残る出来事について
学歴や経歴は配偶者以外の家族は、あまり知らなかったりします。家族皆で自身の情報を共有することがよいといえます。
資産や借金、その他お金について
- 預貯金について・・・銀行名(支店名)や口座番号(名義人の名前)、預貯金の金額やカードの暗証番号など
- 借金やローンについて・・・言いにくいこともありますが、それを知ってもらうことは大切だといえます
- 不動産や株式、貴金属(宝飾品や価値のある工芸品など)、ゴルフの会員権など
- クレジットカードや電子マネーなど
- 契約されている保険
- 毎月引き落としのある口座番号など
お金に関わることは一番いいにくい事項でもありますが、ご家族が一番知っておきたい部分でもあります。特に借金などを、葬儀後しばらくして知ったら家族はビックリしてしまいます。
介護(看護)や医療について
- 持病やかかりつけの医師
- 認知症や寝たきりになった場合、家族とヘルパーさんのどちらに介護をしてもらいたいかや、自宅もしくは介護施設など、要介護になってしまった場合の希望場所について、またその際に財産管理を誰に任せるかについて
- 介護が必要になった場合の費用について・・・預貯金、年金や保険でまかなってほしいのか、家族に任せたいのかなど
- 医師から伝えられた病名や余命を、自身に告知してもらうかしてもらわないか
- ご自身の命が重篤になった場合の延命治療や療養場所・・・輸血や臓器提供、また自宅か病棟のどちらで過ごしたいかなど
- 命が絶たれた場合、献体を希望するかされないか
エンディングノートは死後の事項だけを書くのではなく、元気で健康な時に書くというのも重要なことです。事故や病気はいつ起こるか分かりませんし、認知症が発症してしまった場合、正確な情報を書くのが困難になったりするケースもあります。
葬儀や法要・仏事について
・葬儀の基本事項
- 家族葬で行うか一般葬で行うか
- どの宗教形式で執り行うか・・・仏教、神式、キリスト教、無宗教など信仰されている宗旨を書いていただきます
- お決まりの寺社や教会、宗教施設など・・・宗教者や宗教の代表者の連絡先など分かれば記入しておきましょう
- お決まりの葬儀社や担当者の名前、また連絡先など
- もしものときの安置場所・・・思い入れのある自宅もしくは葬儀会館など、安置してもらう希望場所
- 葬儀を行う場所・・・葬儀会館、自宅葬、自治会館など
- お葬式を一般的な通夜式、告別式の形式をされるか、また1日葬(通夜式は無しで告別式のみ)、もしくは火葬式(通夜、告別式を行わず火葬)という形式をとるか
・具体的な葬儀の取り決め
- 喪主を誰にしてもらうか
- お葬式のときに挨拶を誰にしてもらうか
- 参列してもらう方、参列してほしくない方
- 仏式の場合、戒名(法名)をどうするか・・・予算内でつけてもらうか、いい戒名をつけてもらうか
- お柩に納めて欲しいお品
- 祭壇に飾って欲しいお花の種類・・・ユリや菊、バラやトルコキキョウなどお好きなお花
- お着替え・・・よく着用していた服もしくは、お気に入りの服を着せてもらうか、棺に納めてもらうか
- お葬式で流して欲しい曲
- お葬式が終わったあとについて・・・納骨(お墓や、お寺などに永代供養をするか、または散骨など)や、仏壇や法要について
こちらまで記述していれば、喪主様や家族が大変スムーズに葬儀の打ち合わせを行うことが出来ます。死後については自分の意識や考えが無いので任せるという方も多く、それはそれでよいのですが、希望する部分だけでもあれば書いてみましょう。何度も言いますが、エンディングノートは全部埋める必要はありません。
・葬儀の費用について
- 葬儀費用を保険や預貯金でまかなう・・・具体的に記入される方がよいでしょう
- 家族に任せる(用意はできていない)・・・記入しにくい事項ですが書かれることをおすすめします
- お葬式の総予算・・・こちらは見積りなど行わないとわからないので、記入する場合は事前相談をしておきましょう
- 宗教者へのお礼について・・・こちらも宗旨、宗派によって違ってまいります。仏教では戒名によって大幅な価格変動がございます
お葬式の費用は各葬儀社によって、参列者の人数、宗教者へのお礼で大幅に変わるといえます。参列者が何人参列されるか予想するのは難しいのですが、葬儀費用と宗教者へのお礼につきましては双方に事前相談すれば、具体的な金額が分かります。互助会に入っている方も多いのですが、生前葬儀のために貯金している方は多くありません。費用をどうするかというのは言いにくい事ではありますが、正直に書いておく方がよいでしょう。
・遺影写真
ご希望の写真があればご準備しておきましょう。通常であれば自宅にある写真やアルバム、免許証やカメラ、スマホのデータを元に引き延ばして作成しますが、自分らしいお姿を遺影写真にされるなら、生前に遺影写真を撮影することがよいでしょう。
- 喪主を誰にしてもらうか
- お葬式のときに挨拶を誰にしてもらうか
- 参列してもらう方、参列してほしくない方
- 仏式の場合、戒名(法名)をどうするか・・・予算内でつけてもらうか、いい戒名をつけてもらうか
- お柩に納めて欲しいお品
- 祭壇に飾って欲しいお花の種類・・・ユリや菊、バラやトルコキキョウなどお好きなお花
- お着替え・・・よく着用していた服もしくは、お気に入りの服を着せてもらうか、棺に納めてもらうか
- お葬式で流して欲しい曲
- お葬式が終わったあとについて・・・納骨(お墓や、お寺などに永代供養をするか、または散骨など)や、仏壇や法要について
エンディングノートは無料のものがオススメ!
エンディングノートは自治体や葬儀社が無料で配布しているケースもあります。もしくは「ダイソー」「セリア」などでも売っていたりしますので極力安い方がよいと思います。デザインなどの違いはありますが記述する内容は同じです。
極端にいえば普通のノートやメモ紙でも良いのです。エンディングノートにお金をかけることは必要ないと感じます。
エンディングノートを無料で配布
当社ではオリジナルのエンディングノートを無料で配布しております。事務所前に設置しており自由にお取りいただけます。または、事前相談などにお越しいおただきますと差し上げております。市販のノートは分厚かったりイラストや説明文が多かったりしますので、記述事項を厳選し最小限度に絞った書きやすいノートになります。
※郵送は行っておりませんのでご了承ください。
エンディングノートまとめ
エンディングノートは全てを記入することが完成ではございません。
人それぞれ必要なこと不必要なこと、ご家族にとって何を記入すれば知ってよかったと思って頂けるのかによって内容が変わってきます。まずは少しでも気が進む箇所や、分かる範囲からノートを付けることがよいでしょう。また、口では言いにくいこともスラスラと書けたりするのも特徴です。
自分自身だけではなく、家族も安心して最期のお見送りが出来るように記すノートが「エンディングノート」です。
また本屋さんで売っているものもありますが無料のものがオススメです。残された遺族に人生最期の意思を伝えることが本来の目的ですので、エンディングノートではなくてノートやメモ紙に記しても全く問題ありません。