喪主は葬儀で決める必要がある?
喪主(もしゅ)とはご遺族の中の誰かが行う役割で、主に葬儀の内容を取り決めたり、参列者や宗教者への対応がメインとなるため重要な役割といえます。いわば葬儀を行う際に全体を取り仕切る代表者です。
したがって、葬儀を行う上で喪主を決めておくことは必要です。
理由としては昔からの風習というのもありますが、何か確認事項や決定すべき事項があった場合、親戚が誰に聞けばいいのか?また、葬儀社も誰に伝えればよいのかが分からなく、葬儀の流れがスムーズにいかない可能性があります。
家族葬が主流になっていますので、ひと昔前ほど喪主は忙しいということはありませんが、喪主を決めておくと葬儀がスムーズに行えるのは事実です。
しかし、100%決めなければならないということではありません。
喪主を初めて務める方も多いので、以下では喪主の決め方や役割(仕事内容)、また「施主」と混同しがちなので違いについて詳しく解説したいと思います。
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喪主は誰がやるのか?
喪主の決め方にはいくつかありますが、基本的には亡くなられた方の遺族(家族)の中から一人選択します。こちらで一般的な喪主の決め方をご紹介します。
亡くなられた方の配偶者
例えば夫が亡くなった場合、その妻が喪主を務めることです。昔ながらの考えで「喪主が女性はダメなのでは・・・」という風習も地域によってはあったりしますが、現在ではそんなことはありません。男性が強く女性が弱いという考えは今では古い風習です。夫のことを一番よく知っている妻が喪主をやるのがよいといえますし、逆もしかりです。
故人の子供が喪主を務める
しかし、配偶者が高齢で体調面の不安があったり、長年付き添った仲なので悲しくて喪主を務めるどころではないケースもあります。その場合は故人の子供が喪主を務めることがよいといえます。
※カタチや肩書だけ喪主とし、子供が代表者(実質喪主)になるということも少なくありません。 |
子供の中では男性から順番に決めることが一般的。
例えば姉弟がいたとします。その場合、長男である弟が喪主を務めるという考えが一般的なのですが、長女が行っても問題はありません。やはり地方では男性優位になるのは仕方が無いといえますが、これからの時代は男女で気にする必要はないといえます。しかし、現状では男性が喪主を務めることがほとんどです。
子供が女性だけの場合は長女・次女・三女というような順位になりますが、絶対に上から順にという考えも必要ないといえます。また、既婚者で夫がいる場合は夫が喪主を務めても問題ありません。
地域の風習の関係や事情があって喪主をする者の順位が変わってしまうことは仕方がありませんので、そこまで心配することはないといえます。
小さいお子様が先立った場合は?
10代に満たない、または20代の子供が亡くなった場合、基本的には両親のどちらかで喪主をします。しかし、喪主を行うことが困難な場合、お爺ちゃん・お祖母ちゃんが孫の葬儀の喪主を務めてもよいです。
喪主を決めるタイミング
葬儀社との打ち合わせの段階で決めることが多く、誰がしたらいいのか分からないという方もいらっしゃいます。葬儀社がアドバイスしてくれますので周りの親戚の意向も踏まえ喪主を誰にするか決めるとよいでしょう。
【まとめ】 遺族の中では配偶者やその子供であれば長男を選びますが、絶対にそうでなければいけないことはありません。例えば親が頼りなく心配だ・・・、弟に喪主ができるかな・・・という不安があれば違う者が喪主を務めてもよいです。しかし地方などの風習がまだまだ根強く残っていますので、そちらに従う方がよいケースの方が多いかもしれません。 |
喪主の役割や仕事について
喪主の役割はたくさんありまして故人を偲ぶ時間もなく、あっと言う間にお葬式が終わってしまったと言われる方も多いです。昔ほど大変ではないといえますが、役割などを少しでも頭に入れておいた方が気持ちに余裕が持てるといえます。
役所への手続き
役所への手続き自体は葬儀社が行ってくれることが多いのですが、病院から死亡診断書を受け取り打ち合わせのときに死亡届に記入するのは喪主様が多いです。受け取りましたら看護師の説明などを受け、ご遺体搬送の際に葬儀社に診断書を預けます。霊柩寝台車に同乗する場合は、喪主が診断書を持っていても構いません。
葬儀の打合せ
葬儀を行う日や時間を取り決めます。そして葬儀のプランをどれにするか、宗教形式は何にするか、葬儀費用はどれくらいにするかを決定します。他の遺族や親戚がいらっしゃれば一緒に決めることがよいといえます。
特に日時は参列者の予定、お坊さんなど宗教者の予定、友引の関係もありますので慎重に決めましょう。
訃報の連絡
参列してもらう方や訃報を知らせておいた方がいい方には連絡をしておきましょう。真夜中など時間帯によっては難しい場合があるので、夜が明けてからでも問題ありませんが、早急に知らせたほうがよい場合であれば夜中でも連絡を行うかを自身もしくは遺族と話し合って決断しましょう。
お付き合いのある寺院や宗教者に来てもらう場合は、喪主様から連絡することがよいといえます。もし宗教者の都合が悪ければ日時を変更することも可能です。
納棺の儀式への立ち会い
喪主様のみに関わらず遺族が納棺の儀式に立ち会うことが一般的です。お布団からお棺へと納められる儀式、この世からあの世(お浄土)へ向かう旅立ちの準備となります。副葬品なども準備しておく必要がありますが、葬儀告別式当日に持ってきても構いません。
喪主の挨拶
喪主が挨拶を行うタイミングは、
- お通夜式終了後
- 通夜振舞いの前
- 葬儀式終了後
- 精進落としの前
などにあたります。遺族や身内のみの葬儀で、よく顔を合わせる機会がある方ばかりの参列者のみでしたら省略するケースもありますが、遠方からの親戚、久しぶりに顔を合わせる親戚、友人や知人・会社関係の方が参列する場合は挨拶を行った方がよいといえますが、食事前の挨拶はお通夜や葬儀式ほどあらたまった挨拶をする方は多くないです。
挨拶が難しいようであれば葬儀社が代行してくれますし、挨拶の例文を書いた用紙をもらえたりしますので、自身で行うかは喪主様次第です。
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参列者に対しての対応
お通夜式・葬儀告別式に参列された方へ感謝の意を伝え、お迎えやお見送りをして頂きます。極力式場の近くにて待機されるのがよいでしょう。挨拶というより、お悔やみの言葉に対してのお礼や故人生前中のことなどを話すことが多いです。
葬儀社を事前に決めておくのも大切!
喪主の役割として一番初めの仕事が亡くなった時点で葬儀社への連絡が必要です。看護師さんや施設の方から「葬儀社はお決まりですか?」と問いかけられますが、決まっていなければ探さなければなりません。病院などによってはその市町村の葬儀社一覧表を見せてくれるケースや葬儀社を紹介してくれるケースもありますが、内容や費用面が心配であったりします。
余命宣告を受けたり、危篤の知らせを受けた時点で事前相談や見積もりをしておくことで、万が一の時に葬儀社がスムーズに駆けつけてくれます。しかし、まだ存命中なのに葬儀社を探すなんて不謹慎という考えも多く、病院や施設でバタバタしながら葬儀社を探すケースは少なくありません。
葬儀後の喪主の声
- 大切な方が亡くなって頭が真っ白
- 病院で葬儀社に連絡してと言われたけど、分からない・・・
- まず、何をしたらいいの・・・
- お葬式の準備で忙しくて、偲ぶ時間が無かった・・・
大切な人が亡くなり、落ち着いて葬儀社の手配や喪主を務めるというのは難しいことです。悲しいはずの喪主様が、お葬式の準備でバタバタと忙しく故人を偲ぶどころではなかったという声が多かったりします。
遺族と役割を分担したり、周りの親戚に手伝ってもらうことも大切だといえます。何もかも一人で行うというのは大変難しいことで、故人とのお別れをゆっくりできない可能性があります。葬儀社もサポートしてくれるのですが、周りの方にもサポートしてもらうことがよいといえます。
喪主と施主は違う?
喪主は葬儀を取り仕切る代表者ですが「施主(せしゅ)」は葬儀費用を工面する者をさします。しかし喪主が葬儀費用を支払うケースが多く、喪主と施主という役割の分け方はあまり多くはありません。
喪主が若かったり、経済的に支払いが困難である場合などは他の者が施主になる場合があります。
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喪主の決め方や役割のまとめ
こちらでは喪主の決め方や役割などをご紹介しました。喪主は葬儀全般の取り決めなどを行う代表者であり、かかせない役割となります。絶対に必要という訳ではありませんが、喪主がいないと周りからの質問や相談ごと、早急に決定しなければならない事項が滞る可能性が大きいです。
また、施主は葬儀費用を支払う者をさし、喪主との違いもお分かりいただけたかと思います。家族葬であっても喪主の役割や仕事はたくさんありますので、頼れる者がいるのであれば手伝ってもらうことで故人とのお別れをゆっくりと行えるといえます。
【記事監修】厚生労働省認定 一級葬祭ディレクター/中原優仁 |
公開日 2023年12月2日|最終更新日 2024年8月14日