【2024年12月更新】
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葬儀のマナー

仏教の作法|焼香の意味や宗派別の回数・やり方や順番について

はじめに

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自分は仏教だけど宗派によって焼香のやり方や回数が違うって聞いたし、前のお葬式の事を全然覚えていない。。。ネットで調べても書いている事が違うし。。。

各宗教・宗派の作法はさまざまで、正しく行えるという方はほんの一部です。

仏式の葬儀では前の人の焼香の仕方を見て、それを真似るという人も多いです。

結論を言えば、作法を間違えるのを気にするよりも気持ちを込めて行うことの方が大切だとはいえますが、正しいマナーや作法も知っておけばいざという葬儀の時も安心です。

こちらではお葬式の際のお作法に困らないように、焼香の正しいやり方についてご紹介いたします。

焼香の意味やお作法・やり方

仏教ではお葬式の際、焼香(しょうこう)を行います。

焼香(しょうこう)は邪気を祓い、身を清め故人様や仏様へお香の香りをたむける(供える)お作法となります。

お香の発祥にはさまざまな説がありますが、お香の文化は古く紀元前までさかのぼるとされていて、元々はアフガニスタンやタジキスタンなど中東から始まり、そこからインドや中国に伝わり日本へやって来たとされています。湿度が高いインドでは悪臭がただようため、防臭の品として幅広く使われていたとされています。

各宗旨・宗派によって焼香のやり方や回数など違って来ますので、こちらにてご案内いたします。

ご遺族・ご親族が焼香を行う場合

焼香台の手前まで移動し、一般の参列者に向かって一礼をします。参列者が多く左右に一般の方が混在している場合は、中央に向かって一礼もしくは一般の参列者⇒親族席両方に一礼を行っても構いません。右左のどちらが一般参列者の席かは葬儀社によって異なりますので、参列者が多い場合は中央もしくは左右の席に一礼するのが無難だと言えます。

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更に焼香台へと近づき、祭壇の遺影写真に向かって一礼を行います。

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焼香のお作法

➀ 右手の人差し指・親指・中指の三本で抹香をつまむ。

② 頭を軽く下げお香を額へと上げ、押しいただだく。

③ 焼香炭の上に宗派で定められている回数(1~3回)で焼香を行います。

④ 再び祭壇の遺影写真を見て、合掌しそのまま一礼(礼拝)します。

なぜ右手で行うのかというと、焼香セットが右側に抹香(お香)で左側が灰になっているため、右手で行わないと不自然になるからです。また、焼香の際は数珠を左手に持ちます。

抹香(まっこう)とは・・・粉末状のお香

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焼香台の少し手前まで下がり、一般の参列者の方に向かって一礼をします。焼香台へと進む経路そして帰路は葬儀社のスタッフが誘導してくれます。時間があれば元の席に戻って最後までお見送りをします。

一般参列者が焼香を行う場合

お作法は同じですが、焼香前と焼香後の一礼はご遺族・ご親族のみに行います。こちらも親族と一般の参列者が左右に混ざってる場合は、中央に向かって一礼もしくは親族席⇒一般参列者の席両方に一礼を行っても構いません。また人によって信仰されている宗教・宗派があるかと存じますので、焼香のやり方や回数は、遺族側の宗教・宗派に合わされても構いませんし、ご自身が信仰されている宗旨に合わされても問題ありません。焼香後は時間があれば元の席へと戻り故人を偲びます。

お香を額へと押しいただかない宗教・宗派

※浄土真宗と臨済宗では抹香を額へと押しいただきません。

お香をいただかないお作法

➀ 右手の人差し指・親指・中指の三本で抹香をつまむ。

② そのまま焼香炭の上に宗派で定められている回数(1~3回)で焼香を行います。

③ 再び祭壇の遺影写真を見て、合掌しそのまま一礼(礼拝)します。

お香をおしいただく理由は、故人が往生(成仏)出来るようにお香に気持ちを込めることと、自分自身の身を清めるという意味合いがあるそうです。

お香を額へと頂かない理由にはさまざまな説がありますが、例えば

「昔の抹香の価値は金よりも高価で、今でも伽羅(きゃら)や沈香(じんこう)といわれる香木は希少価値・値段が高いです。そもそもお香の煙や香りは一番に仏様や故人様へお供えし、その後に自分の身を清めるものであるのに、自分が真っ先に頂くなんて仏様や故人様にたいして失礼きわまりない」

と、浄土真宗のお寺さまが法話で話されていたことがあります。

また、「焼香は仏様や故人様に対して気持ちを込めて一心に香りと煙をお供えするものなので、わざわざ自分がいただく必要は無い。いただきたければ、いただけば良い。」

と、話されていたお寺さんもいらっしゃいました。

宗派ごとの焼香の回数について

※焼香は右手の人差し指・親指・中指の三本でお香(抹香)をつまみます。

天台宗回数に定めがありませんので、気持ちを込めて1~3回焼香を行います。また、いただかずに焼香する場合もあります。
真言宗通常は3回焼香になります。
浄土宗通常は3回焼香になります。
浄土真宗本願寺派(西)お香を額へいただくことなく、お香をつまみ、そのまま焼香炉へと1回焼香になります。※上の②の部分が不要になります。
真宗大谷派(東)お香を額へいただくことなく、お香をつまみ、そのまま焼香炉へと2回焼香になります。※上の②の部分が不要になります。
臨済宗お香を額へいただくことなく、気持ちを込めて1~3回焼香を行います。1回焼香の宗派が多いです。回数に定めはありません。
曹洞宗1度目は額へといただいてから焼香、2回目はいただかずに焼香となります。
日蓮宗導師は3回焼香、参列者は1回焼香とされています。
日蓮正宗通常は3回焼香になります。
創価学会通常は3回焼香になります。
さまざまな宗旨

上記以外の宗旨、宗派は沢山ありますので当社がアドバイスさせて頂きます。

※参列者が多い場合、1回焼香で行う場合があります。特に葬儀告別式では時間が限られた中で式を行いますので、焼香に時間を費やすと、故人様とのお別れ・お見送りの時間をゆっくりとお過ごし出来ません。

お寺さまをご紹介»さまざまな宗教・宗派に対応しています

自宅で焼香を行う場合

自宅の葬儀では焼香台を準備し葬儀会館のように立って焼香を行う場合もありますが、座ったまま焼香を行うケースの方が多いです。その場合「座ったまま低い焼香台で焼香する」「回し焼香をする」の二種類のやり方があります。

自宅で焼香

座ったまま焼香する場合は、割と広い自宅などで背の高い焼香台を使用せず座椅子や座布団で葬儀のお勤めを行い、低い姿勢で焼香台へと移動し座って焼香を行います。

回し焼香

回し焼香は、部屋のスペースに限りがある場合に焼香台へと移動はせず、お盆に焼香セット(香炉・抹香・焼香炭)を乗せて順番に焼香を行うことをいいます。

どちらも焼香のお作法は同じですが、参列者に向けての一礼は出来る状態であればする方がよいでしょう。また、基本的には正座なのですが膝や足が弱い方は座椅子を使用したり、足を崩しても良いと思います。

宗教者の中には「足を崩して楽な姿勢でいいですよ」という方も多くいらっしゃいますし、お寺さまでさえ通夜式や葬儀告別式のそれぞれ30分~40分正座するだけで、立ち上がる時に辛そうな方もたくさんいらっしゃいます。

正座時間のギネス記録を調べましたが挑戦者はいませんでした。。。

何人かのお寺さまに聞いた所、体重を左右の足交互に乗せ換えたり、オーバーサイズな袈裟(けさ)を利用して正座していると見せかけてお姉さん座りをするという裏技やコツがあるみたいです。

そして、根性と気持ちがあれば何時間でも・・・という方もいらっしゃいました。怖くて突っ込めませんでしたが。。。

葬儀に携わっていると宗教者のお話を色々聞けるのが物凄く面白いです。

焼香時の注意点

一人で焼香に行かせるか、一緒に行くかで悩む年齢のお子様がいる場合の注意点を紹介します。

それは・・・子供を信じて一人で焼香に行かせた場合、抹香を押しいただく時に・・・お香を食べるお子様もいらっしゃいます。。。

前の人のお香をいただくという行為が口に含むと間違えたんでしょう。。。

そして、お香と間違えて超高温(300~600℃)の焼香炭をつまむことです。。。

子供を一人で焼香に行かせる際は、お葬式前に一度シュミレーションをすることをオススメします。

お線香のあげ方について

お線香のあげ方

自宅やお葬式前は焼香ではなくてお線香で供養をしますが、こちらも宗教・宗派によってお作法が異なります。

線香をあげる方法には「そのまま立てる」「横に寝かせる」「香炉の大きさに合わせて折って寝かせる」があります。

そのまま立てる
 真言宗・天台宗・浄土宗・臨済宗・曹洞宗・日蓮宗では一般的に線香を真ん中に立てます。真言宗や天台宗では3本立てて、他は1本の場合が多いように感じますが、地域によって違ったりします。
横に寝かせる
 日蓮正宗・創価学会では香炉が横長の長方形のものになり、線香を真横に寝かせて灰の上に置くという形式になります。右手で線香をあげるため、火のついた方が左になります。
香炉の大きさに合わせて折って寝かせる
浄土真宗では線香を香炉の大きさに合わせて2本~3本に折り、灰の上に置くという形式になります。

こちらも、相手方の宗教・宗派のお作法が分からない場合は自分の宗派に合わせても問題ありません。

無宗教の場合焼香はダメ?

無宗教でも焼香やお線香をあげても問題はありません。

また、キリスト教のカトリックでは通夜式や葬儀告別式の際に献花ではなく、焼香を行う場合が多くあったりします。プロテスタントでは焼香は行わず、焼香をしているのを見たことがありませんので献花になります。

焼香のお作法はさまざまで、事前に調べていても、いざ焼香となると忘れてしまったり悩んだりされる方がすごく多いのですが、大切なのは故人様を偲ぶお気持ちです。人前なので間違ってはいけない、格好いい所を見せたいなど、お作法や見栄えだけにこだわるより、間違ってもいいから、気持ちを込めて行う事の方が大切で、故人様も喜んでいただけると思います。

焼香を行う順番について

これらには行う人の順番があります。家族葬の増加とともに順番を定めるケースは減っていて、明確な順番の決まりというのも無いのですが一般的に焼香行う順番をご紹介いたします。(以下焼香順位)

簡単に説明すると、

ご遺族・ご親族→各種団体・代表→一般参列者です。

通夜式では親族も一般も順位不同で行うケースも多いです。

風習よっては通夜式の際、一般参列者が先に焼香などを行い、その後にご遺族・ご親族が行われる地域もあったりします。

一番最初は喪主様です。喪主の子供が喪主を務めた場合、一般的には親よりも先に喪主である子供が焼香を行いますが、中には親に焼香を一番にしてもらうこともあります。親を立てるといった理由で、本来は親が喪主をしますが、何らかの理由で子供に任せたためです。葬儀委員長がいらっしゃった場合は「焼香開き」という形で一番最初に行ってもらいます。

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故人様の子供です。男性が優先となり、長男→次男→三男→長女→次女→三女の順番になります。それぞれ結婚していれば家族ごとに進む場合が多いです。お孫さんがまだ小さければ一緒に焼香しましょう。場合によっては長男の次に長女が来る場合もあります。もし長女が結婚をしていて姓が変わっていても、次女・三女より長女が先に行うケースもあります。

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故人様の親です。故人の両親が存命であれば、父・母の順番で行います。

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喪主様の親です。喪主の両親が存命であれば、父・母の順番で行います。

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故人様の孫です。孫が一人で焼香できる年齢(小学生以上)であればこちらで行います。年齢に関わらず、親の後に焼香を行う場合もあります。

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故人様の兄弟や姉妹です。

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喪主様の兄弟や姉妹です。

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故人様の叔父・叔母です。

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喪主様の叔父・叔母です。

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一般参列者です。ご遺族・ご親族の焼香が終われば一般の参列者の焼香になります。焼香順位読上げの儀式がある場合では、各種団体・ご代表が先に進みます。(自治会の会長・議員・会社関係の代表者・友人の代表者など)

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近畿地方(西日本)では止め焼香(留焼香)という形式が見られます。読み方は「とめしょうこう」で、故人様の兄弟や甥などが行うケースが多く一般的には男性が行います。「総止め焼香」ともいい、参列者の一番最後に焼香を締めくくります。

玉串奉奠献花でも同じ順番となり、故人様から見て血縁関係の濃い順番で行います。

地域や風習で多少の違いはあったりしますので、周りと良く話し合ってから決める事をオススメします。

まとめ

こちらでは焼香やり方や回数などのマナー・これらを行う順番についてご紹介させて頂きました。

参列者に対しての一礼は親族や親戚は一般の参列者に行い、一般の参列者は親族・親戚側に行います。参列者が多く左右入り乱れている場合は式場の中央もしくは左右の両側に一礼を行っても問題ありません。

そして、宗派ごとのお作法はありますが、間違える・正しいよりも気持ちを込めて行うことが大切です。少々間違っても誰も何も気にしません。

こちらでご紹介できなかったその他マナーにつしましてもお気軽に問い合わせ下さい。

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