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葬儀の知識

葬儀や火葬後、遺骨や遺灰はどうする?永代供養?お墓の購入?散骨?収骨しない?

一級葬祭ディレクター/中原優仁【記事監修】厚生労働省認定
一級葬祭ディレクター/中原優仁

葬儀や火葬後の遺骨・遺灰はどうするのがよい?

葬儀や骨上げが終わり四十九日法要も済んだ場合、遺骨や遺灰を骨壺に納めるのですがどうすればいいのか?と悩んでいる方も多いと思います。

先祖代々のお墓があればお墓に納骨となりますが、お墓を持っていない方やお墓の購入を考えていない方もいらっしゃるかと存じます。中には散骨をされる方や、収骨(骨上げ)自体を行わない方もいらっしゃいます。

こちらでは葬儀後の遺骨や遺灰の納骨方法やその他さまざまな方法をご紹介いたします。

骨上げの意味や流れついて

「こつあげ」と読みます。

ほとんどの場合、葬儀当日に遺骨や遺灰を拾い集めます。※火葬の予約時間により翌日骨上げを行うケースもあります。

  • 収骨(しゅうこつ)
  • 拾骨(しゅうこつ)
  • 骨拾い(こつひろい)

とも呼ばれたりし、それぞれ意味は同じです。

地域により全ての遺骨「全骨」を収骨するケースと、喉仏「本骨」と体の遺骨「胴骨」に分けて部分的に収骨を行う「分骨」というスタイルがあります。

大阪府など関西地域では「分骨」を行う地域が多く、関東などでは「全骨収骨」が多く見られ骨壺の大きさも全然違ったりします。

火葬が終わり、そこから1時間半~3時間程度で骨上げを行い式場や自宅に持ち帰り初七日法要を行います。そして四十九日法要が終われば納骨となります。

骨上げを行う理由

日本では江戸時代や明治時代までは火葬より土葬の割合の方が高く、「火葬場」の普及とともに火葬が主流となり、現在の火葬率は99%以上となっており、火葬率の上昇は衛生面が関係しています。

日本では衛生面を配慮した法律や規約は多くあり、現在でも火葬に関しては「法定伝染病」にて死亡した場合では24時間以内に火葬を行えたりします。(※通常は24時間以上経過しないと火葬は行えない)

骨上げをする理由は「遺骨をお墓に納めるため」に行うということです。

お墓の歴史は縄文時代にさかのぼるとされていて、当時ではご遺体を土穴の中に身体を曲げるようにして埋葬していたとされており、墓穴から遺骨と一緒に土器や花・花粉などの化石も見つかっており、現在の副葬品やお供え物、お花をたむけるという考えが昔からあったのではないか?とされています。

現代のお墓

墓石を設置しているお墓に至るまでには長い歴史がありますが、昭和初期くらいから現在のお墓のスタイルが浸透してきたみたいです。

遺骨・遺灰の供養や埋葬方法について

お墓を持っている人や、お墓の購入を検討している方は四十九日法要が終わればお墓に納骨することが一般的です。

しかし昨今では墓じまいを検討している方やお墓を購入しないという考えの方も非常に多かったりします。その場合はいくつかの方法がありますのでご紹介いたします。

①永代供養する

「永代供養=えいたいくよう」と読み、寺院などが遺骨を永代(長年)に渡り供養してくれます。骨上げを行い、お墓の購入を考えていない方は永代供養をされる方が非常に多いです。

永代供養は寺院が定期的そして長年に渡り定期的にお経をあげてくれたりなどしっかりと供養をしてくれます。遺骨を納めるのですがさまざまな種類があったりします。

他の遺骨も一緒に合同で納める永代供養墓を「合葬墓(がっそうぼ)」「合祀墓(ごうしぼ)」「集合墓(しゅうごうぼ)」といいます。
マンションタイプやロッカー形式の永代供養も有名で、個々に納骨できることが特徴です。
檀那寺の納骨塔や本堂にて永代供養する。

などなど、永代供養をする方法はさまざまです。大阪では「一心寺(いっしんじ)」が有名ですよね。現在は納骨規制がかかっており、小さい骨壺に収まっている遺骨しか納骨が出来ませんので確認をしておきましょう。

注意点

注意点としては「遺骨の量や重さ」などによっても永代供養料が大幅に違ったりします。寺院の外や庭にある永代供養墓に、合同の遺骨を納骨するのであれば割とリーズナブルな寺院や霊園が多いのですが、本堂や寺院内においての永代供養となれば費用が何倍にも上がりますので確認が必要です。

安い所では20,000円~数万円程度になります。

個別で本堂内となると数十万円~数百万円はします。

オプションなどで、墓石に個人の名前を彫刻してもらったり出来る場所もあります。

寺院などに永代供養する場合は葬儀後にゆっくりと考えることが出来るため、自分にあった所を探せるのがよいといえます。そして宗教・宗派問わず納骨が可能という寺院も多く、遺骨自体の処分はあっても永代に渡り供養してくれるというのが最大のメリットだといえます。無宗教の方でも寺院に永代供養に出すという方は多いです。

②海洋散骨をする

宗教染みた供養をしたくない場合や無宗教の場合、生前に海が好きだった方などは海洋散骨もオススメです。

私の父は生前白浜が好きで「海に撒いてくれ」と言っていたので和歌山県の白浜沖に散骨しました。綺麗な海であり三段壁や円月島・千畳敷など有名なスポットも見渡せる沖合いだったので海が好きな方には非常にオススメだと思います。

散骨は法律上問題ない?

散骨

「さんこつ」と言い、遺骨を粉々に砕いて撒く埋葬方法です。

  • 海に撒く「海洋散骨」
  • 寺院や霊園に設けられた木の下に撒く「樹木葬」

などが有名で、昨今では「宇宙葬」や「バルーン葬」たる散骨方法も話題になっていたりします。

自然に還すという意味合いがあり、大きく「自然葬」と呼ばれたりしており、海外での需要は多く日本でも徐々に増加しています。

しかし、日本では散骨が合法でもなく違法でもないグレーゾーンだと言われています。

それは「散骨(埋葬)なのか?」「遺骨の遺棄なのか?」によるものです。

「散骨」は遺骨を形状が分からないくらいに粉砕し、好きな場所へ撒きますが「墓地埋葬法」では散骨に対して記述がされていないようで、常識や節度を持った範囲内であれば問題は無く、現在の所規制などもありません。業者に依頼すれば遺骨の粉砕作業を行ってくれますし、「散骨証明書」などももらえたりします。

「散骨」と「遺骨の遺棄」の違いは?

刑法第190条では「遺骨遺棄罪」があり、3年以下の懲役に罰せられるなどと記述されています。そして「社会的な節度の範囲内」「遺骨を埋葬するという宗教上の理由」で散骨を行う分には直ちに「遺骨遺棄罪」にはならないとされています。

遺族など遺骨を処分する権限がある者が散骨する行為は、遺骨遺棄罪には該当しないと解釈されています。

引用元:春田法律事務所 URL:散骨は法律に違反?|春田法律事務所 (haruta-lo.com)

どういうこと・・・?

本当に遺骨を散骨すると言う目的があり、周りの方に迷惑がかからない、気付かないように行うのであれば問題ないということになっています。

しかし、誰でも人間の遺骨だと分かる状態で、公共の場所や観光地・ゴミ箱などに放置したりするなど、一般の人々が迷惑だと感じる割合が多いケースでは「遺骨遺棄罪」に問われる可能性もあるということです。

日本で散骨が更に普及してくると、あきらかに遺骨を遺棄している者が散骨だと言い張っているニュースなどが流れるかもしれません。もしかすると罪に問われないケースもあるかもしれませんが、そうなると散骨に対して新たな法律が出来ると思いますので、今のところは節度を持った散骨を行われているのかなと思います。

自治体によっては墓地以外での埋葬や散骨を条例で禁止している地域もありますので注意しましょう。

③樹木葬

昨今では樹木葬も需要があります。樹木に遺骨を撒くのではなく樹木のそばに合同墓地があったり、個々のお墓が設けられていたりし、そこに納骨する形式です。

④その他の方法

宇宙に遺骨を撒く「宇宙葬」や遺骨を大気圏まで飛ばし散骨する「バルーン葬」などもあったりします。さまざまな人のさまざまな考えによりこれからも新しい供養方法は出てくるのだろうと感じています。

⑤骨上げを行わない

骨上げを絶対に行わなければならないと思っていませんか・・・?骨上げを行うことは風習であり、葬儀の一連の流れになっていますが、必要がなければ骨上げは不要で、収骨しなくてもよいです。

お墓を持たなく、永代供養などもしない、宗教の関係上など明確な理由があればお骨上げをする必要はありません。関東などでは全骨収骨し一部残ってしまったもの、また関西ではほとんどの遺骨が残り火葬場の納骨塔に納められます。ですので骨上げをしなくても遺骨は自治体が処分してくれます。

どんな事情であっても遺骨を拾う必要は必ずなく、不要であればそれで構いません。しかし注意点としては骨上げを行わない場合、後々遺骨がやっぱり必要だとなった場合は遺骨の返還は不可能です。

遺骨がいらないという方も多いのですが家族や親戚と話し合ってから決めることがトラブルを防ぐ方法だといえます。

宗教上の理由について

信仰している宗教によっては骨上げを行いません。

「エホバの証人」では、新世界訳聖書において大切な人の死を悼むのは自然なことであり、復活の希望があるため、死者を供養する必要は無いとされています。

実際、エホバの証人さんで収骨を行うケースはほとんどありません。

お墓を購入する場合について

その家の長男(跡継ぎ)であれば先祖代々の本家のお墓に入りますが、お墓に対しての風習や意識が強い地域で生まれ育ったという方は、分家や隠居であった場合に新たにお墓の購入が必要になったりします。

しかし、現在では都会・田舎に関わらず、その意識が薄れておりお墓を持たず永代供養に出すという方が増えてきています。

現在地元とはかけ離れた地域に住んでいて中々帰省できないケース、お墓を購入したとしても後々管理をする者(子供)がいないという理由でお墓を購入しないというケースです。

また、風習が強い地域生まれ育った方でも、仕事などで違う所に住んでいるという方も多く、両親が亡くなり誰もいなくなると実家に帰省する理由が無くなるという考えも要因の一つといえます。

ほとんどの場合は、生前に埋葬方法を明確に決めてはおらず、葬儀・骨上げが終了してから考えるという方が多く、お墓の購入より永代供養を選択される方がとても多くなっています。

墓石屋さんが「墓石の売り上げより、※墓じまいで忙しい・・・」という理由が良く分かります。「※墓じまい」・・・お墓を管理する者がいなくなり放置状態になった無縁墓や、今後の管理が難しくお墓を手放したいという方の依頼により墓石や遺骨を撤収すること。

「収骨を行わない」「お墓を購入しない」というのは故人の自由ですが、もし仏事などに対しての意識が強い地域で生まれ育った方であれば、地元の親戚などに相談してから決めることをお勧めします。もしかすると「親不孝者・・・」など、わだかまりやトラブルに発展してしまう可能性もあります。しかし、管理できないのにも関わらず周りに流されてお墓を購入したものの放置状態では意味がありません。お墓の購入を考えている場合は、今後の管理もよく考えてから購入しましょう。結局見守っていくのは周りでは無く自分になります。

遺骨はいつまでおいておくの?

遺骨はずっと置きっぱなしではよくありません。四十九日法要が済めば納骨したり、一周忌や三回忌などで遺骨を全て供養することが一般的です。

しかし中には全て納骨すると「寂しい・・・。」という方もいらっしゃいます。一部であれば遺骨を納めることができるペンダントなどに納め手元供養でも問題ありません。

遺骨の置き方や置き場所は?

葬儀後に仏壇の横に後飾り祭壇を飾りますがそちらに骨壺を安置しておきます。祭壇が無ければ家にある小さいテーブルなどで問題ありません。

向きや方角などを気にせず生活に支障がなく、しっかりと供養できる場所に置いてあげましょう。

葬儀後・火葬後の遺骨や遺灰のまとめ

こちらでは、骨上げ後の遺骨や遺灰の埋葬方法についてご紹介いたしました。地域の強い風習によるもの宗教上の理由など、人それぞれの考えによって変わってきます。

骨上げをするか・しないかについては、「収骨をしない」という明確な考えがあればする必要はありません。火葬場では書類を書くと遺骨を処分してくれます。

もし、今後の供養ことで悩んでいるのであればとりあえずは収骨をしておいた方がよいでしょう。葬儀後でもゆっくりと考えたり話し合う時間も十分にあり、こだわらなければ費用を抑えた埋葬方法もたくさんあります。

そして、お墓の購入や永代供養をお考えの方は、こだわりがなければ「有名な場所」より「近場」で探すことをお勧めします。行きたい時に手軽にお参りが出来ます。

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