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葬儀のマナー

葬儀で使う袱紗(ふくさ)の包み方や渡し方などのマナーについて

袱紗とはどんなもの?

袱紗と書いて「ふくさ」と読みます。

結婚式やお祝い事などの慶事をはじめ、葬儀や法要などの弔事において現金や金品を渡す場合に使用する正方形・長方形の形をした布製の製品となります。

お祝い事では祝儀袋、葬儀や法要などの弔事では香典などを包みます。

漢字では「袱紗」「帛紗」「服紗」と表記しますが、「袱紗」はご祝儀や香典・御布施などを包むものであり、「帛紗」や「服紗」は茶道において茶道具を拭き清めたり、お茶碗やその他の茶道具を拝見するときに使用します。

こちらではお葬式で使用する袱紗のマナーを中心にご紹介いたします。

葬儀で使う袱紗について

葬儀で使う袱紗について

袱紗の種類について

弔事(葬儀・法事)で使用する袱紗(ふくさ)には、ポケットが付いた簡易的な二つ折りの金封袱紗・一般的な四角の布製のもの・四角の布製の袱紗にお盆が付いている3種類があります。

金封袱紗二つ折りタイプのもので香典などを簡単に納めることができ、持ち運ぶ際も香典袋が折れたりせず非常に使いやすいものとなります。若い年代の方の使用が多く見られ、簡易的な袱紗となりますので、布タイプよりは格式が低いものとなります。
爪付き袱紗四角形の布タイプのものとなり、包んだ後袱紗を留める爪がついたものです。年配の方はこちらのタイプを使用していることが多く、一般的に袱紗といえばこちらのタイプになります。しかし、持ち運びの際は気を付けないと香典袋が折れてしまったりするケースもあります。
台付き袱紗袱紗に台(お盆)が付属しているもので、香典や御布施を渡す時は非常に便利なアイテムです。

使い分けというのは特にありませんが、1つだけ購入されるなら昔ながらの爪付きか盆付きの袱紗をおすすめします。

しかし、昨今では袱紗の使用頻度が低く、袱紗を持っていない・必要ないという方も多いのでそういう方は略式の金封袱紗を準備してもいいかもしれません。

香典を布で包むタイプの方が礼儀正しいのですが、若い年代の方ではあまり見かけませんので浮いてしまうとも取れます。

袱紗の包み方について

袱紗について

金封袱紗二つ折りの簡易的なタイプの袱紗になりますので、御布施や香奠(香典)などをポケットに入れて包みます。弔事(お葬式や法事)の場合は左開きになるように入れ、お祝い事では右開きになるように使用しますのでご注意下さい。
布の袱紗こちらも左開きになるように包みます。

  1. 袱紗を広げ気持ち右寄りに不祝儀袋(香典袋・御布施袋)を置きます。
  2. 右側を最初に折ります。
  3. 下を折ります。
  4. 上を折ります。
  5. 最後に左側を織り込み、爪が付いているものであれば裏側で留めます。

爪付きと台付きは同じ包み方になり、台付きの場合は台の上に不祝儀袋をおいて折りたたみます。

袱紗の色や柄はどれを選べばいい?

色合いはお祝い事ではないので赤や黄色などの原色や明るい色は使用せず、紫やグレー・濃紺など地味な色合いの袱紗を使用します。

柄や刺繍につきましては無地の袱紗が一般的ですが、派手な刺繍でなければよいとされています。

ただし、おめでたい意味合いのある鶴亀や松竹梅・鳳凰・扇などのものは避けましょう。

濃い紫色は慶事と弔事の両方で使用出来ますので、濃い紫色を持っておくと大変便利です。

袱紗に包んだ後の渡し方について

受付にて受付の方に渡す場合は、「このたびは誠にご愁傷様でございます」などのお悔やみの言葉を一言添え一礼します。受付の前にて袱紗から香典を取り出し、相手から表書きが読める(文字が正しく読める)方向に向け、両手でお渡します。
遺族に直接ご遺族に直接渡す場合、相手方の前で袱紗を開き、そのまま渡すのではなくお盆や台の上に置いて、相手から表書きが正しく読めるように両手で渡します。台付きの袱紗やお盆、台が準備できない場合、折りたたんだ袱紗を台の代わりにしてお渡しします。
宗教者へお寺さまなど宗教者へのお礼を渡される場合も、そのままではなく、袱紗やお盆(切手盆)を使用するのが丁寧で一般的となります。

袱紗の素材や購入場所について

〇〇の素材のものを使用しなければならないという決まりはありませんので、素材はお好きなものを使用しましょう。

西陣織など〇〇織りや絹、金襴が使用されている袱紗なら数千円~数万円となり高級な品物になりますが、ポリエステル製であれば1000円以下で購入出来たりします。

高級な袱紗であれば高島屋や丸井さんなど百貨店やインターネットで購入できますし、安価な品物であればインターネットで探せば見つかります。

ダイソーさんやセリアさんなど100均ショップでも見かけたりしますが、見る人が見ると安っぽいと感じるかもしれません。

コンビニでは見かけたことがありません。

素材については好みやこだわりだといえます。

男性も袱紗を使うの?

お葬式において、男性が袱紗を使用しているのはあまり見かけません。喪服のポケットなどに直接入れて、裸のまま渡している方が多く見られます。

しかし、正しいマナーでいうと男性も袱紗を使用するのが正しいマナーになります。

御布施や香奠(香典)が汚れていたり、不祝儀袋折れ曲がっているのを見ると良いイメージは持たれません。

相手方の目線・周りの目線を考えると、袱紗を使用する方が「礼儀正しくきちんとしてる」と思われるでしょう。

袱紗を持っていない場合

袱紗を持っていないから仕方が無いと諦める方も多いはずです。

時間があれば購入できますが、葬儀はいつあるか分かりませんのでなかなか準備出来ないものです。

実は袱紗をハンカチや風呂敷などで代用でき、裸で渡すよりは良い印象を持たれます。

ただし、色目には気を付けておかなければなりません。お葬式の場では赤や黄色などの目立つ色合いはマナー違反になりますので、黒や紫・地味目な色のものを選びましょう。

どうしても用意できない場合は葬儀社のスタッフに尋ね、袱紗やお盆を貸してもらうという方法もあります。

まとめ

こちらでは葬儀で使用する袱紗の種類や包み方・渡し方などをご紹介いたしました。

男性・女性に関わらず袱紗を使用している姿を周りの方が見ると、礼儀正しい印象を持たれるのは確かだといえますし、相手方に対する思いやりや気持ちが伝わるでしょう。

昨今では、袱紗を使用される方が減少傾向にあるのですが、参列者が少ない家族葬においても袱紗を使用している方を見ると礼儀の正しさ・気持ちが伝わります。

また、袱紗は素材がいいものは高価ですが、昨今ではインターネットなどで安価で販売されていたりもします。

大人のマナーとして慶弔両用の袱紗や少し値の張る袱紗を1つくらいは持っていてもよいでしょう。

一級葬祭ディレクター/中原優仁【記事監修】厚生労働省認定
一級葬祭ディレクター/中原優仁

公開日 2023年7月19日|最終更新日 2024年8月14日

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