葬儀での食事を飲食店で行うのはアリ?ナシ?
こちらでは葬儀後の食事をファミリーレストランやチェーン店などの飲食店で行うのはどうなのか?について解説いたします。
上記リンク先にあるように、お通夜では「通夜振る舞い」お葬式では「精進落とし」を用意するのですが、皆様のイメージでは葬儀会館でお寿司や懐石料理を食べるというイメージがあると思います。
飲食店で食事をしてもいいの!?
結論からいうと場合によってはよいです。
親戚の参列者に振る舞う食事なのですが、昨今では身内だけの家族葬が大半になっています。その場合、改まった食事の場を設ける必要はないという考えや本音があったりします。
お通夜では寿司桶やオードブルなどを、葬儀では個別の懐石料理などを準備するのですが、身内のみの場合でしたら「別にそんな料理はいらない。」というのが本音であったりします。
例えば故人様の子供と孫のみの葬儀でしたら食事内容にこだわりたくありませんよね。また、葬儀社で食事を準備してもらうと割高になります。
しかし、故人の兄弟や配偶者関係・喪主のいとこ・喪主の配偶者関係などの方が参列してくれる場合は改まった食事の場を設けたほうがよいです。
どちらにせよお通夜や葬儀が終わった後に食事をとりますが、飲食店で行うことは全然OKです。
外食の場合の店選びについて
葬儀社に持ち込めたらホカ弁やコンビニのお弁当でもよいのですが、持ち込みOKの葬儀社はそこまで多くなかったりしますし、持ち込みOKでも食事室の使用料が発生するケースもあります。
お店選びは上記でもあるように誰が参列するかによって選んだ方がよいといえますが、身内のみでしたら正直どこでもよいといえます。
- お寿司屋さん
- ファミリーレストラン
- チェーン店
など、選択肢はたくさんあります。また、費用を抑えたいからという理由もあるのが現実であったりします。
お寿司屋さん
お寿司屋さんは一番無難であり、身内のみでも他の親戚が参列する場合でも問題無く使用できます。葬儀後や法要後の食事を用意しているお店も多いので予約さえしておけば問題ありません。
そして、ランチを利用するというのがコスパが最強だといえます。ランチは12時~14時が一般的ですが、予約を取れるお店なら利用した方がよいといえます。下手に安いメニューを選ぶよりランチの方が豪華で低価格であったりします。
お店の予約をする際、お葬式後の食事・法事後の食事ということを伝えずに人数とランチをしたいということを伝えることが裏技であったりします。弔事での食事となると別メニューを案内されるケースもありますから。
お通夜の際は通常料金になりますので費用は要確認です。
ファミリーレストラン
- ガスト
- サイゼリヤ
- ロイヤルホスト
- びっくりドンキー
- デニーズ
- ジョイフル
などのファミレスで食事を行う方もいらっしゃいます。職業柄、喪服で歩いている人を見かけると気にかけたりしますので、ファミレスから喪服で出入りしている方を見ると「葬儀後だろうな」「法要後かな?」などの予想ができたりします。
全く問題はありませんが、それは「通夜振る舞いに入るのか?」「精進落としなのか?」とは感じますが、お店がどこであろうと違いはありません。
しかし、葬儀の食事=お寿司というイメージがありますから、お寿司屋さんでは喪服での出入りは特に違和感はないのですが、ファミリーレストランで葬儀後の食事を行う方はそこまで多くはないため、喪服での入店が目立ったりすることはあります。
その他飲食チェーン店
回転寿司などでも食事を行う方もいますし、喪服で出入りしている方もたまに見かけます。ファミレスと同様、喪服での出入りは目立つことがデメリットであったりします。
ファミレスやチェーン店は非常識?
非常識ではありません。
しかし、喪服では目立つという点と身内以外の方が参列する場合は避けた方がよいというか、注意が必要だとはいえます。特に年配の方は昔ながらの風習が根付いていますので「葬儀の食事がファミレス!?」と感じる方も当然いらっしゃいます。
喪服での入店に関しては皆が気にならないのであれば問題ありません。
外食するなら葬儀社から見てどこがいい?
葬儀に長年携わっている私から見て費用も食事内容もいいのはお寿司屋さんのランチです。
地元の個人経営のお寿司屋さんでもランチを設けているお店は多いと思います。ランチメニューもコスパがよくて、握り寿司・茶碗蒸し・味噌汁・小鉢などが付いて1,500円前後が多いです。
お店側からすると「別メニューで・・・。」というのが本音だとは思いますが、正直なところあまり関係ないと思います。ランチは人気で予約ができないケースもありますので、予約可能であれば絶対オススメです。営業時間や定休日の関係もありますので、葬儀の時間帯にも左右されますが前日には予約しておいたほうがよいといえます。
ファミリーレストランやその他チェーン店で食事をしても同じ程度の費用がかかりますし、それ以上になるケースもありますし。
しかし、故人様のためであることを忘れずに!!
葬儀は故人様のための儀式ということは忘れないで欲しいです。
葬儀の食事の際は他の参列者の対応で故人様を放置しているケースがあったりしますが、陰膳も用意してあげましょう。
葬儀での食事は故人様がいいところに行けるよう弔う儀式であるので食、事内容などは関係なく遺族がメインではありません。仕方がないといえますが、参列者に対しての食事内容になってしまうのが現実でありますので、そこは葬儀社の力量になります。
ベテランであればそのことを踏まえていますが、業界歴が浅いスタッフは現場を回すことが頭にありますので気付かないケースもあります。こちらのページを見た方は万が一の食事の際は故人様がメインということを踏まえておきましょう。
こっそりと陰膳を行う方法
陰膳は葬儀ホールでは堂々と行えますが、外食では難しい・恥ずかしい・目立つケースがあります。しかし、故人様へも食事を用意してあげて欲しいです。
お寿司屋さんであれば葬儀後・法要後の陰膳のメニューを設けているお店が多かったりしますので伝えれば用意してくれます。しかし、ファミレスなどではそうではありませんので、遺影写真の小さいほうを目立たない所に置き、店員さんに取り皿をもらい、皆が食べているご飯を小分けで供えてあげるとよいでしょう。
もしくは白木の位牌や遺影をカバンに入れ「お母さんも食べて」「お父さんも食べて」「〇〇も食べて」というおもいを込めて取り皿によそってあげましょう。
食事内容なんてどうでもいいんです。
通夜振る舞いや精進落としなんて世間体や一般常識・見栄・宗教というどうでいい部分もあったりしますが、大切な方のための食事であり故人様のための供養ということだけは覚えておいて欲しいです。
まとめ
こちらでは葬儀や法要後にファミリーレストランやチェーン店で外食するのはアリかナシかについてご紹介いたしました。
葬儀や法要での外食は問題ありませんが、時と場合・参列者によって選択されたほうがよいです。故人様を弔うための食事ではありますが、世間体や地域の風習もあったりします。
しかし、どこで食事を行おうが故人のための食事だということを忘れずに、そして故人の食事も用意してあげましょう。
本音や建前はあると思いますが、自分達だけ空腹を満たして故人を放ったらかしはダメですよね。。。
【記事監修】厚生労働省認定 一級葬祭ディレクター/中原優仁 |