はじめに
葬儀の際に香典や御布施を渡す機会があると思います。
香典の意味や渡し方などのマナーについてはコチラで詳しく解説しております。
昨今では家族葬が増え、香典を辞退している遺族も多いのですが、もし香典を渡す際の金額の書き方を詳しく解説していきます。
香典の金額はどこに書くの?
香典袋には水引が付いて中袋があるタイプと、水引がプリントされていて直接お金を入れるタイプのものがあります。
»水引についてはこちら
中袋が付いている不祝儀袋では、表袋には金額を記入せず中袋の表に記入します。
中袋が付いていないプリントタイプのものであれば裏側に郵便番号・住所・金額を記入します。
※香典については薄墨の筆ペンで記入します。
宗教者への御礼(御布施など)も同じ?
御布施につきましても同じです。
水引の色が地域によって変わったりしますが、金額の書き方や書く場所は香典と同じです。
金額の数字について
金額の文字については旧字体(大字)で書くことが昔ながらのマナーではありますが、昨今では一般的な漢数字で記述する方も多くなっていますので問題ありません。
将来的には更に通常の漢字での表記が増えてくると予想できます。
旧字体については下記の表をご覧ください。
現在の漢数字 | 旧字(大字) | 書き方 |
千(せん)=【仟・阡】万(まん)=【萬】 円(えん)=【圓】 |
||
一(いち) | 壱 |
・金壱千円也 |
二(に) | 弐 | ・金弐千円也 ・金弐阡円也 ・金弐仟円也 ・金弐千圓也 ・金弐阡圓也 ・金弐仟圓也 |
三(さん) | 参 | ・金参千円也 ・金参阡円也 ・金参仟円也 ・金参千圓也 ・金参阡圓也 ・金参仟圓也 |
四(し) | 一般的に四が付く数字の金額は「死」を連想することから使用しません。 | |
五(ご) | 伍 (五でもよい) |
・金伍千円也 ・金伍阡円也 ・金伍仟円也 ・金伍千圓也 ・金伍阡圓也 ・金伍仟圓也 |
六(ろく) | 六が付く金額もあまり使われません。 | |
七(しち) | 旧字は存在するが「七」「八」と書くのが一般的です。 | |
八(はち) | ||
九(きゅう) | 九は「苦」を連想されるためあまり使用しません。 | |
十(じゅう) | 拾 | ・金拾萬円也 ・金拾萬圓也 ・金拾参萬圓也 |
二十(にじゅう) | 弐拾 | ・金弐拾萬圓也 |
三十(さんじゅう) | 参拾 | ・金参拾萬圓也 |
百(ひゃく) | 旧字は存在するが「百」と書くのが一般的です。 | ・金百萬圓也 |
「萬」は旧字体で書くときに多く使用され、「円」と「圓」はどちらでも問題ありません。
「千」につきましては「仟」と「阡」のどちらでも構いませんが「阡」の方がよく見かけます。
結局の所、これだ!という決まりはありませんが、お客様の書き方を見る限り「円」以外は旧字体で書かれていることが多かったりします。
また、「一」と「二」は書き換えられたりしないよう「壱」「弐」での記述をオススメします。
横書きの場合は算用数字を使用
香典袋も御布施袋も縦書きが多いのですが、ごくたまに横書きタイプの香典袋があります。その際は算用数字で記述することが一般的です。
算用数字とは「3,000円」「5,000円」「10,000円」などの書き方をいいます。
「也(なり)」は書いても書かなくてもどちらでも構いません。也という漢字には「〇〇である」「〇〇だ」など断定の意味があり、「銭」という単位があった時代に使われていましたが、現在ではつける必要はありません。しかし慣習として也を書いている方も多くいらしゃいます。
郵便番号や電話番号を縦書きする際は旧字ではなく「一」「二」「三」などの漢数字を使い、ゼロは「0」もしくは「零」を使用しましょう。
まとめ
こちらでは香典の金額の書き方や数字の書き方などをご紹介いたしました。
昨今では旧字体(大字)の使用頻度は減少傾向にあり、必ず旧字体で書かなければいけないということはありませんが、葬儀のように儀式を重んじる場では旧字体で書くことが望ましいともいえます。
しかし、書き方は人によってさまざまであったり地域の風習もあるかと思いますが、こちらの記事を参考にしていただけたらと存じます。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。
![]() 一級葬祭ディレクター/中原優仁 |