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葬儀の知識

お通夜式・葬儀式のお返し(粗供養品)や香奠返し(満中陰志)について

通夜・葬儀の粗供養品や香典をいただいた場合の香典返しについて

お通夜式と葬儀告別式に参列していただいた方に対して「粗供養品」をお返ししたり、香典をいただいた場合では「香典返し」をすることが一般的なマナーです。

こちらでは葬儀や仏事でのお返しである「返礼品」について詳しく解説いたします。

粗供養品について

粗供養

粗供養品(そくようひん)はお通夜式・葬儀告別式に参列して頂いた方にお渡しする返礼品となります。

親戚を始め近所の方や自治会・隣組関係・友人・知人・会社関係の方の参列があれば参列やお別れ、焼香をしていただいた方に対しての感謝の気持ちの品物です。

お通夜式と葬儀告別式の両日に参列してくれた場合は品物を替え、両日に渡すことが一般的なマナーとなります。

※粗供養品は参列してくれた方への感謝の気持ちとなり香典返しとは異なります。

粗供養品は誰に渡すの?

基本的には遺族(故人の子供関係)以外の方にお渡ししますが喪主家族以外に渡すケースもあります。親戚では故人の兄弟関係(長男の喪主から見ておじさん・おばさん)やいとこなど、一般の方であれば自治会・隣組関係、故人や遺族の友人知人、会社関係など、喪主家族には全て渡すものだと思えばよいです。

また、お坊さんが参ってくれる場合は御布施とは別に両日に、一日葬であれば葬儀式当日にのみお渡しします。

お返しを受け取らない宗教もあります。

宗教によってはお返しを受け取ってくれないケースもあります。「エホバの証人」や「創価学会」がそれにあたり、信者さん達は受け取ってくれないケースが多いです。

しかし、お葬式の参列では故人様や遺族がその宗旨を信仰していても参列者の中にはそうでない方の参列者もいらっしゃったりします。受け取るか受け取らないかは自由ですが、どのような宗旨であっても念のため準備をしておくことが望ましいといえます。

粗供養品は誰がいつ渡す?

基本的には葬儀社スタッフが焼香後もしくは式後のタイミングで渡してくれます。寺院に対してはお茶を出す際に机に置いておきます。

昨今では家族葬や身内のみの少人数の葬儀が増加傾向にあり、遺族のみのお葬式の場合であれば省略するケースも多くなっていたりします。

しかし、くれぐれも費用を抑えるためにお返しを省略するという考えは間違っていますので注意が必要です。

粗供養品の品物について

お通夜式の粗供養品
お通夜式の際のはお茶やコーヒー・お菓子やタオル・ハンカチなどが多いです。それぞれの金額の相場は500円~1000円程度がよく見られます。中には後に残る品物を避け皆で召し上がることができ、飲み物やお菓子など後に残らないものを選ぶという考えもあります。お渡しする際、袋に入れ通夜礼状(ハガキ)や必要であれば清め塩を添えてお渡しします。
葬儀式の粗供養品
こちらも上記と同じような金額のお品で、お通夜とは違うものを用意し、お通夜に参列していた方にもお渡しします。葬儀告別式には会葬礼状と清め塩を添えます。

地域によってはギフト券を粗供養品として渡す場合もあり品物はさまざまです。

清め塩については基本的には粗供養品と同封しますが、宗教によっては必要のないケースもあったりします。「浄土真宗」「エホバの証人」などがそれにあたります。こちらも、さまざまな宗教の方が参列されるケースが多いので、清め塩を受付や出入口付近に設置したりします。

お礼状について

お通夜式では「通夜礼状」、葬儀式では「会葬礼状」を付けて渡すのですが、礼状にはいくつかの種類があります。

略式礼状・・・名前や住所など個人情報などが記載されていない汎用の礼状です。

一般礼状・・・名前や住所、葬儀の日時などが記載された一般的な礼状となります。丁寧な礼状ではありますが、家族葬の増加とともに減少傾向にあったりします。

ナレーション礼状・・・礼状の内容に故人のエピソードなどが書かれた礼状ですが、こちらは割と最近出てきたものでありオプションとしている葬儀社が多いです。大規模な葬儀などでは見かけられます。

礼状は葬儀の打ち合わせの際に粗供養品を決めると同時に提案されますのでお好きなものを選べばよいでしょう。葬儀社によっては略式であれば無料と設定しているケースや、それぞれに値段を設定しているケースもあります。

返礼品には地域の風習によって品物が変わってくることが多いです。また、家族葬だから準備していなくて、予想していなかった一般の方が参列される場合もありますので注意が必要です。中にはお葬式によく参列している方で「何もくれなかった・・・」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

香典返しについて

香典返し

香典をいただいた方に対しての返礼品を「香典返し(こうでんがえし)」といいます。また、地域によっては四十九日が終える=満中陰と呼ばれることから「満中陰志(まんちゅういんし)」と呼ばれるケースもあります。

昨今では香典を辞退するケースも多いのですが、いただいた場合は例外を除いて必ずお返しすることがマナーです。

例外とは香典をいただいた際「お返しはいらない」と言われた場合、返さないケースもあったりします。そこはその方との関係性ともなるのですが、香典返しをしないと決断した場合であっても後日お礼の連絡などは必ず行いましょう。

いつ渡せばいいの?

基本的には四十九日法要当日や法要後早い目にお返しをしますが葬儀の際に「即日返し」という形でお返しをするケースもあります。

即日返しの場合は3,000円~5,000円程度の品物を準備し受付で渡します。お葬式には参列できず香典を預かってきた参列者に対してはその方の分もお渡しします。

香典返しの金額相場は?

一般的にはもらった金額の半分の金額のものを返すのですが、即日返しの場合はそうはいきません。香典の金額が5,000円~10,000円程度であれば3,000円~5,000円程度の品物でよいのですが、20,000円~50,000円と高額になってくると後日改めてお返しを行います。

過去の葬儀参列で誰にいくら渡してどのような品物が返ってきたなどのメモを置いていればよく見ておきましょう。なければ半分の金額を返すということを心掛けておけばよいです。また、今後のためにも香典については誰にいくらいただいて何を返したなどのメモをし置いておくことがよいといえます。

3割程度を返す場合もある

例えば香典を5万円と高額いただいた場合、お返しを半分してしまうと渡した本人も渡した意味が無いと感じる場合もあったりします。そのように判断できる場合は3割程度で問題ないといえます。

香典の相場は5,000円~20,000円程度になりますので、こちらの金額であれば半返しでよいといえます。

香典返しの品物について

品物は葬儀社に依頼するかギフト屋さんに注文すれば問題ありません。または自分たちで百貨店などで購入されてもよいです。

  • お菓子の詰め合わせ
  • 洗剤の詰め合わせ
  • お酒の詰め合わせ
  • お吸い物詰め合わせ
  • 肉、魚類

などなどなど、品物に決まりはありません。選ぶのが大変という場合はギフトカタログで渡すというケースも多かったりします。香典返しについてもタオルなど残るものよりなくなる品物が人気であったりします。

のし袋の表書きや水引について

熨斗袋の表書きは「志」「満中陰志」と書き下に名前を記述します。手書きでもプリントでもどちらでも構いません。水引「黒×白」もしくは関西地方では「黄×白」で包むようにしましょう。

弔電や供花をいただいた場合のお返しは?

弔電(弔事用電報)に対してのお礼は行わないケースが多いのですが、供花や盛り篭は高価な品物になりますのでお返しをするようにしましょう。香典が辞退されているので供花をお供えしたというケースもあります。

葬儀での供花や盛り篭の相場は1基:10,000円~20,000円程度で一対であれば20,000円~40,000円程度になります。金額が判断できない場合は葬儀社スタッフに聞けば教えてくれますので控えておきましょう。

こちらも品物は香典返しと同じものですが熨斗袋の表書きは「志」「御礼」の方がよいといえます。「満中陰志」現金をいただいた場合に記述する書き方になります。

弔電をいただいた場合でも感謝の気持ちを伝えましょう。

弔電は供花や盛り篭に比べると比較的安価なものですが、葬儀後や四十九日が終わってからでも電話などで感謝の気持ちを伝えたほうがより丁寧であるといえます。

粗供養品・香典返しまとめ

こちらではお通夜式・葬儀告別式へ参列してくれた方へのお礼「粗供養品」と香典をいただいた場合の返礼品「香典返し」「満中陰志」について詳しく解説させていただきました。

家族葬の増加により粗供養品を準備しないケースもあるのですが、参列者へのお礼となりますのでよく判断して準備の有無を決めることがよいです。

香典返しは基本は半返しであり場合によっては3割程度のお返しをすることもあります。弔電や供花に対してのお礼はしない方もいますが、特に供花は高価なお供え物になりますのでお礼を準備することがよいといえます。

地域性や風習によって若干の違いはありますが、大切なのは参列者への感謝の気持ちです。時間に余裕があるのであれば葬儀後や四十九日法要を終えた後にお礼の電話などを行うことがベストだといえます。

一級葬祭ディレクター/中原優仁【記事監修】厚生労働省認定
一級葬祭ディレクター/中原優仁

公開日 2024年2月27日|最終更新日 2024年8月14日

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