はじめに
令和3年10月7日のニュースにて、西宮市の葬儀社スタッフがお寺様への御布施を抜き取り逮捕されたというニュースがありました。
〇〇容疑者は5日、兵庫県西宮市の葬儀場で通夜の開始前に、80代の女性が僧侶に渡すために用意したお布施30万円を預かり、その中から10万円を抜き取った疑いが持たれています。
お布施の金額は事前の相談で30万円と決まっていたにもかかわらず、受け取った額が20万円だったことから、僧侶が葬儀場に確認し、盗まれていたことが発覚しました。
引用元:YAHOOニュース
ということです。
ビックリする事が起きていますが、こちらのニュースについて書いてみます。
どこの葬儀社か?
兵庫県西宮市の葬儀社みたいですが、ネット上では特定されているでしょう。
悪い噂はすぐ広まりますので、その葬儀社の信頼と評判はだだ下がりで、一生語り継がれる悪評になると予想されます。盗んだ本人が一番悪いのですが、従業員であれば会社の責任でもあるので会社側には少しお気の毒にも感じます。
何故盗まれたのか?
ただ単にお金が欲しかったのだと思います。
そもそも御布施をスタッフが預かるということはほとんどありません。特にお世話になっている檀那寺であれば、葬儀社スタッフが御布施の心配をしなくても、施主様が準備されているケースが多く直接お寺様に渡すことがほとんどです。
葬儀社からの寺院を紹介するケースでも、御布施の金額を伝えて施主様からお寺様に直接渡してもらうことが、他の葬儀社においてもほとんどだと思います。
「御布施を一度預からせて頂きます。」なんてあきらかに怪しいですし、寺院との癒着や御布施のバックマージンを感じているお客様も多くいらっしゃいますから。
ごくたまに、金融機関の関係で引き落とせなかったりする場合は葬儀社が立て替えたりするケースもあったりしますが、基本的にはお客様とお寺様のやり取りなので葬儀社がお客様の代わりに渡すというのは滅多に無いです。
寺院との癒着や紹介料について
昨今では檀家が離れたり、仏教に対しての意識が低下していますので、現在の檀家さんだけで食べて行ける寺院も多くはありません。
紹介料を払ってでも檀家さんを紹介して欲しいというお寺様も多数いらっしゃり、自然とバックマージンの話になったりもします。
しかし、お客様が要望する御布施の金額で寺院を探すということもあり、少し無理を聞いて頂くというケースもありますので、そこは持ちつ持たれつの関係で付き合いをしている葬儀社が多いのではないでしょうか。
また、紹介料などはお客様からお寺様へ御布施を渡した後や後日の話であり、紹介であっても葬儀社から寺院に渡すということは一般的にはありません。葬儀社側も金銭トラブルになる可能性があると予想しますから、お客様から直接寺院に渡してもらった方がよいのです。
御布施の金額について
まずは御布施の金額「30万円」というのが高いのか?安いのか?
- 長年の付き合いがある
- 田舎の寺院
- 少し良い戒名が付いている
というケースであれば、相場くらいな金額です。
近年ではインターネットで御布施の安い寺院を紹介するサービスがあったり、一般的な葬儀社でもお寺様を安く紹介してくれる所も多数ありますので、30万円という数字が一見高く見えますが、そんなことはありません。
中には、
時給いくらになるんだ・・・。坊主丸儲けじゃないか・・・。高すぎる・・・。
という方もいらっしゃいます。
御布施の非課税議論は置いておいて・・・30万円を時給換算してみます。
枕経 | 10分 |
通夜式 | 30分 |
葬儀告別式 | 40分 |
炉前勤行 | 10分 |
環骨・初七日法要 | 30分 |
お経をあげる時間だけで見れば時給10万円~15万円くらいになりますが、戒名料もこちらに含まれますし、お寺様によってお経の時間や法話の時間も全然違います。
寺院への高額な御布施や良い戒名を付けるなどは価値観の違いが一番大きいのですが、付き合いがあるから高くても仕方ない・・・という声があるのも現実であったりします。
寺院との付き合いは無いがお寺様を呼んで葬儀を行いたいという方は、予算に応じて葬儀社が紹介してくれます。良い戒名が必要無く特にこだわりが無い場合、タイミングにもよりますが、かなりお安い御布施で紹介してくれたりもします。
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盗んで逮捕されるまでの経緯を予想
盗むために御布施を預かったと予想されます。
- その日に決行する計画
- 以前にも盗もうと考えておりタイミングを伺ってた
- 以前にも盗んでいて手慣れている
だと思います。
- その日たまたま魔が差した
という可能性も0ではないです。
今回の場合、御布施の袋には金額が記載されていなかったんじゃないかと思います。
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袋の表には「御布施」「名前」を記入しますが、中袋があるタイプでは中袋に金額を記載します。中には外袋の裏側にも金額を書く方もいらっしゃいますが、今回は外袋にも中袋にも金額が記載されていなかったと予想されます。
30万円と記載されていて20万円しか入っていなかったからすぐにバレますし、お寺様と被害者との間で御布施が30万円と決まっていたことを知らなかったとも予想されます。
そして、寺院との紹介料などの話があれば、百歩譲って御布施を渡す前にお金を抜いていても問題にはならないケースもあるとしますが、今回は逮捕されていますので、そういう話も無くただ単にお金欲しさに盗んだものと考えられます。
逆にお寺様が「御布施はお気持ちで結構です」というケースであった場合は事件にならなかったでしょうね、、、
御布施を頂いた寺院も、渡した施主も金額について話すことはないですから、、、
そのことから、
とりあえず御布施を預かってみる
金額が外にも中にも記載されていない事を確認
犯行に及ぶ
発覚
もしくは、被害者が80代で高齢ということから、御布施の袋に30万円と記載されていたが、被害者の入れ忘れを装おうと試みた所、銀行口座からの引き落とし履歴や、他の親戚多数が御布施袋にお金を入れるのを確認、その御布施を容疑者に渡し預けるのも確認(もしくは式場の防犯カメラに写っていた)の経緯により、問い詰められ自白・・・そして逮捕されたのではないでしょうか・・・。
※あくまで個人的な予想で、何の根拠もありません。
まとめ
葬儀での金銭管理は基本的に喪主様が責任を持って行います。
今回のケースでは、80代の女性被害者が僧侶に御布施を渡すということから、配偶者(夫)の葬儀での事実上の「喪主」を行ったと予想されます。
御布施に関しては、場合によっては葬儀社が建て替えするケースがありますが、こういう事件が出てしまった以上、葬儀社がお金を預かるという話になった場合は少し疑った方が良いかもしれません。
お客様のお金を預かりましょうという葬儀社スタッフはいないと思いますが・・・。
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公開日 2021年10月8日|最終更新日 2024年8月14日