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葬儀の知識

2024年(令和6年)の春と秋|お彼岸の意味や期間ついてご紹介します

お彼岸について詳しく解説

「彼岸(ひがん)」は誰もが聞いたことがある言葉だと思います。

そして不吉で怖い期間というイメージを持たれている方もいらっしゃるはずです。

毎年二度訪れる特定の期間のお彼岸ですが、その期間や意味・過ごし方について曖昧な方も多いかと存じます。

また、お彼岸になるとお墓参りに行くというイメージがあり、理由は分からず何となくお墓参りに行かれている方も多いはずです。

こちらでは日本の伝統的な風習・行事であるお彼岸についてご紹介いたします。

お彼岸の意味は?

彼岸=ひがんと読み、丁寧な言い方として皆が「お彼岸(おひがん)」と口にされます。

言葉の由来としては、サンスクリット語の「Paramita(パーラミター)」という言葉からきており、仏教用語に訳すと「波羅蜜多(はらみた)」となり、これを漢字に意訳したものが「到彼岸(とうひがん)」です。

そこから「彼岸」という言葉が世の中に出回ったとされております。

パーラミターには「完全性」「成就」という意味合いがあり、仏教の世界では悟りを開いた(境地に到達した)ことを意味しております。

三途の川を渡ったご先祖様がいらっしゃるあの世であるパーラミター(悟りの地)を「彼岸」、実際に私たちがいるこの世を「此岸(しがん)」といいます。

この【彼岸】という期間はこの世とあの世が近づき、通じやすくなるという考えから法事やお墓参り・仏壇の清掃・お供え物などの供養、いわばご先祖様のおもてなしを行うことで感謝の気持ちや敬意・お偲びの心を表すことができるので、昔からの日本の風習や文化となっています。

「死」はいずれ訪れますので、自分自身も「欲」「煩悩」「苦しみ」に満ちた現在の世界から、苦しみのないお浄土(彼岸)へと行けるよう願いを込め、修行の場として供養を行なうことが本来の意味であります。

※お盆とは違いご先祖様が帰ってくるという期間ではありません。

浄土真宗では彼岸という概念は無く「彼岸=お浄土(じょうど)」です。彼岸でこの世とあの世が近づくため供養したり、修行の場という意味合いはなく、仏様の教えを聞き知らせていただく期間であるという考えです。ご先祖様へのおもてなしというよりも、阿弥陀仏様のありがたい教えを聞かせていただくためにお墓参りや仏壇の清掃・お供え物などを行います。一般的に行うことは同じでも、行うことの理由が違ってまいります。

2024年(令和6年)、春と秋のお彼岸はいつなのか?

お彼岸は年に2回あり、春のお彼岸と秋のお彼岸があります。

春は「春分の日」、秋は「秋分の日」を中日とし前後3日間の一週間がすなわち「お彼岸」となります。

お彼岸の初日を「入り(いり)」、最終日を「明け(あけ)」と言ったりもします。

2024年(令和6年)のお彼岸は、

春の彼岸3月17日(日曜日)~3月23日(土曜日)までの一週間
17日が入り(いり)、23日が明け(あけ)
【中日の春分の日は3月20日(水)】
秋の彼岸9月19日(木曜日)~9月25日(水曜日)までの一週間
19日が入り、25日が明け
【中日の秋分の日は9月22日(日)】

ということになります。

お彼岸の期間については「春分の日」「秋分の日」を中日とし、前後の合計一週間がお彼岸と覚えておくとよいでしょう。

また、「国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)」の第二号おいて、

春分の日=自然をたたえ、生物をいつくしむ。

秋分の日=祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ。

という祝日であることから、お彼岸はご先祖様だけではなく、動物や農作物・植物などの自然に対しても敬い感謝する期間ともされます。

宮中(皇居)において毎年、春分の日には「春季皇霊祭(しゅんきこうれいさい)」、秋分の日には「秋季皇霊祭(しゅうきこうれいさい)」が行われていたりします。

皇霊祭とは、今は亡き歴代の天皇陛下や皇族の御霊を祭ると同時に五穀豊穣を祈り感謝と敬意を表す儀式です。

また、冬から春に、夏から秋にと気候の入れ替わりの時期でもあるため「暑さ寒さも彼岸まで」ということわざがあったりします。

お彼岸には何をしたらいいのか?

ご先祖様をお偲びする日となりますが、具体的な過ごし方といえばお墓参り・仏壇の清掃・お供え物となります。

お彼岸のお墓参りについて

お彼岸お墓参り

お彼岸だからといって普段のお墓参りとは大きい違いはなく普段通りで問題ありません。

普段通りのお墓参り・・・??

お墓参りのやり方は地域の風習によって細かな違いはありますが、日本全国共通していることはご先祖様に感謝の気持ちを込めてお墓参りをすることです。

そして、一生懸命全力でお墓のお手入れを行います。

  • 墓石の清掃
  • 草むしり
  • お供え物

をするのですが、

墓石の清掃
しばらくお墓参りをしていないと墓石は汚れていたりします。特に鳥のフンが付着していたりしますので、墓石にお水をかけ手で丁寧に汚れを取りながら磨いてあげましょう。
草むしり
雑草がボーボーであったり、何年かぶりに・・・というケースでは木が生えていたりします。。。労力は必要ですが草を根元から引き抜いてあげましょう。「除草剤」の使用については基本的には問題ありませんが、念のためお墓の管理人に確認しておきましょう。本来は手抜きでご先祖様に失礼にあたるとは思いますが、昨今では割と見かけたりします。
お供え物
食べ物のお供え物はカラスなどの害鳥の影響によりほとんど見かけませんが、お花(仏花)につきましてはお墓参りのときくらいはお供えしてあげることがよいでしょう。お線香を立てれる場合はたむけてあげるのがベストです。そして最後に手を合わせ黙祷し、ご先祖様に対しての感謝の意を伝えましょう。

お墓参りはお彼岸のいつに行けばいいのか?というお悩みもあるかと存じます。

彼岸の入り、中日(春分の日・秋分の日)、明けの3度お墓に出向き供養や清掃を行うことがベストだとはいえますが、難しいケースが多いかと存じます。

彼岸中に一度しかお墓参りに行けないと予想される場合は、その日に一週間分の気持ちを込めて全力でお墓の手入れや供養をしてあげましょう!!

大切なのは気持です。

面倒だ・・・という気持ちもあるかと思いまが、こちらのページを拝見されている皆様は「お彼岸=お墓参り」ということをイメージされているはずです。

お墓参りはお墓の清掃やお花のお買い物も含めても、そこまで時間を要さないかと思いますので少しでも気になっているのであれば年に二度しかないお彼岸、ご先祖様への供養を行い感謝の気持ちを伝えられることもよいのではないでしょうか?

仏壇の清掃は難しい?

お彼岸の仏壇のお手入れ

丁寧で慎重に行えばOKです。

本格的にピカピカにするのであれば仏壇屋さんに清掃をお願いするという方法もありますが、大掛かりな作業になり費用もかかるため毎年やってくるお彼岸の度に仏壇屋さんに依頼することは難しいので、出来ることであれば自分達でお手入れを行いたいものです。

難しく考えず、仏壇を綺麗にしてあげるという気持ちを持って行うことがよいでしょう。

仏壇の中や外・お位牌・仏具に付着しているホコリやゴミなどの汚れを取り除きますが、仏具の中には繊細で壊れやすいもの、金塗りの仏壇であれば手荒く手入れを行うと金箔が剥がれ落ちる可能性もありますので、布(綺麗なタオルや雑巾)・毛ばたき・ティッシュなどで丁寧に行います。

細かいところは綿棒やつまようじなどが役立ったりします。

仏具屋さんで専用の清掃用品が売られていたりしますが、家庭にあるものや100均などで売っているものでも代用は可能です

また、手指の脂や汚れにより仏壇仏具の劣化に繋がる可能性がありますので、素手での清掃はあまりオススメしません。

蝋燭のロウもよくこびり付き、ロウは非常に取れにくくなりますので専用のロウ落としを使用するか、「蝋燭が60℃で溶け出す性質」を利用し、お湯でロウを溶かし布でふき取るという方法もあったりします

くれぐれも硬いものや鋭利なものでこすったり、綺麗ではない布で拭き取ったりすることは避けましょう。

お彼岸のお供え物について

お供え物については、

  • 仏花、墓花
  • ご先祖様のお好きだった食べ物や飲み物
  • 季節の果物
  • ぼたもち、おはぎ

などが一般的です。

お彼岸仏花

仏花や墓花についてはお花屋さんやスーパーで売っている一般的なもので問題ありませんが、地域によってはお彼岸では〇〇の花材を入れるというケースもありますので、特に地元に住まれている方は周りのご親戚などに確認しておきましょう。

そして、春秋の旬な果物やご先祖様の好きだった食べ物や飲み物をお盆などに乗せ仏壇の近くにお供えします。

ぼたもち・おはぎ

お彼岸に何故「ぼたもち」や「おはぎ」をお供えするかご存じですか?

両方に共通しているあんこの原材料「小豆(あずき)」ですが、一説によると「赤色」は太陽や血・火の力が宿り、「生命」を象徴した魔除けの色とされており、小豆の色はその赤色となるため神事や祭事・仏事などにおいて良く用いられています。

お祝いの際に、あずきを用いたご飯である「赤飯」を炊くのにもこのような意味合いがあります。

また、

中国最古の薬物書「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」には、あずきの煮汁が解毒剤として使われたと記載されており、日本でも古来よりあずきは薬として用いられていました。

引用元URL:あずきバーで有名な井村屋さん

ともあります。

赤色はおめでたい色のイメージがありますが、本来の意味は「魔除け」ということがお分かりいただけたかと存じます。

そして、ぼたもちは春に、おはぎは秋のお彼岸にお供えしますが季節とものを分別するのは一体何故なのか?

こちらにもさまざまな説があり、一説では

ぼたもち
牡丹の花「牡丹餅」と書き、春のお花「牡丹(ボタン)」をぼたもちに例えた。
おはぎ
萩の花「御萩」と書き、秋のお花「萩(はぎ)」を小豆(おはぎ)に例えた。

双方とも見た目があんこに包まれたお餅のイメージですが、ぼたもちとおはぎの違いは、

  • ぼたもちはこしあん
  • おはぎはつぶあん

という違いが本来はあるようですが、昨今ではつぶあんのものでもぼたもちとして売られていたりするなど、つぶあんとこしあんでの種類の違いというものが無くなっているようです。

地域によっても双方の作り方や見た目が違ったりもするようなので、「春の彼岸ではぼたもち」「秋の彼岸ではおはぎ」という認識で問題ないかと存じます。

棚からぼたもちということわざがありますが、春のお彼岸のお供え物として棚に大切にしまっていたのであろうことがイメージできます。

なまものをお供えする場合は傷む前に下げて「お下がり」として召し上がることがよいです。お供え物をし、手を合わせてすぐにお下がりとしても問題はありません。

お彼岸にお供え物を持っていくときのマナー

ご親戚や知人宅へとお供え物を持って行く際に、水引や表書きに悩む方もいらっしゃるかと存じます。

関西など西日本では「黄×白」の水引、東日本では「白×黒」の水引を用いることが一般的です。

表書きは「御供」「御霊前」で問題ありません。浄土真宗の場合は「御仏前」となります。

水引の下にはフルネームで名前を記述します。

お彼岸お供え物

特に「御供」はどの宗旨・宗派でも使用できますので無難だといえます。

お供え物を現金ではなく品物で行う場合は一般的に「御供」と書くケースがほとんどです。

表書きを手書きで行う際は、薄墨ではなく濃い墨で記述することがマナーです。

薄墨は主にお悔やみでの場(香奠)において、悲しみの涙で薄くなったという意味で薄墨を使用します。

お供え物は現金でする方もいますが品物で行うケースが多く見られます。品物の場合はギフト屋さんや近くの和菓子(洋菓子)屋さん・青果店・スーパーでの購入で問題ありませんが、時間に余裕がない場合は葬儀社さんやインターネットにて購入する方もいらっしゃいます。

彼岸花について

彼岸花

秋のお彼岸になるとこのような赤いお花がそこら中に咲いているのを見かけたことがあるかと存じます。

こちらが彼岸花(ヒガンバナ)です。

毎年秋のお彼岸の時期に合わせて咲き始めるお花ですが、不吉で怖いイメージがある方も多いのではないでしょうか?

彼岸花の花言葉は、

  • 悲しき思い出
  • 独立
  • 情熱
  • 諦め

とあり、「悲しき思い出」という部分は少し怖く寂しいイメージがありますが、「情熱」という花言葉もあることから不吉なイメージだけではありません。

しかし、お墓の周りにたくさん咲いていることや、名前が彼岸花ということ、強い毒性があり最悪死に至ることも考えられるということから世間的に彼岸花が不吉で怖いお花というイメージがあるのだと思います。

彼岸花には強い毒性があるため、小さいお子様がいる場合は注意しましょう。また、お花に触れた際は手洗いを必ず行いましょう。

樒(シキミ)

同じく強い毒性を持った植物「樒(シキミ)」が魔除けの効果があったり、彼岸花は赤いお花なため赤色は魔除けの色としていることから、本来は魔除けの植物であり怖いイメージの意味合いは持たないということが分かります。

お彼岸はお寺さんにきてもらう?

お彼岸お寺さん

お彼岸では自宅にお寺さんを呼んでお経をあげてもらうというケースは少ないように感じます。

亡くなられて初めて迎えるお彼岸を「初彼岸(はつひがん)」と呼ばれたりしますが、華やかにおもてなしをする「初盆(はつぼん)」ほど大掛かりに行わない地域が多いようです。

お彼岸では各寺院にて「彼岸法要」や「彼岸会(ひがんえ)」というかたちで、寺院にて檀家さんを招き一斉に行われることがほとんどです。

寺院でお彼岸の法要に参加される場合の御布施は各寺院や地域によって決まっていたりします。

5,000円~20,000円程度に設定されている寺院が多く見られますが、御布施というのはお気持ちでお渡しするものになりますので、ハッキリとした金額というのはあってないようなもので難しい部分であります。

自宅に来てもらう場合の御布施についても5,000円~30,000円程度と地域や寺院、皆様のお気持ちによって金額が変わってまいります。

はっきりとした答えを伝えることができず申し訳ございません。

お彼岸にお葬式は避けるべき!?

お葬式とお彼岸の期間が重なってしまうケースもありますが、葬儀を行うことに全く問題はありません。

ただし、お彼岸は入りから明けまで7日間あるため、その期間中に友引があります。

友引にはお葬式をしないという風習は昨今でも多く見られますが、お彼岸だからお葬式を避けるという習わしは聞いたことがありません。

お彼岸のまとめ

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

こちらではお彼岸の意味や期間、過ごし方についてご紹介いたしましたが、お彼岸とは

ご先祖様に対し感謝の意や敬意を込めてしっかりと供養(おもてなし)する期間

ということがお分かりいただけたかと存じます。

そして、(令和5年)2013年度のお彼岸は春が「3月18日(金)~3月24日(木)」で、秋のお彼岸が「9月20(火)~9月26日(月)」となります。

仏事には地域性やさまざまな風習が大きく影響し、細かなお作法や決まりごとなど日本全国で共通しているわけではありませんが根本的なことは全国共通です。

お彼岸だけにかかわらず、仏事はご先祖様を振り返り忘れないための日となりますので、改めてお偲びするための良い機会だといえます。

一級葬祭ディレクター/中原優仁【記事監修】厚生労働省認定
一級葬祭ディレクター/中原優仁

公開日 2024年3月19日|最終更新日 2024年3月19日

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