【2024年12月更新】
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葬儀の知識

家族葬の通夜振舞い・精進上げの食事の知識やマナーについて

葬儀で行う食事・料理内容について

お通夜式や葬儀告別式後、家族や親戚同士で一緒に机やテーブルを囲み食事をしたことがある・そういう姿を見たことがあるという方は多いと思いますが食事を行う意味などは分からないという方も多いかもしれません。

こちらでは葬儀や法事の際に行う食事の知識やマナーをご紹介いたします。

お通夜・葬儀・法要の食事について

それぞれの食事に名称や意味があります。

お通夜では「通夜振る舞い」

通夜振舞い

お通夜式に弔問いただいたご親戚や参列者に感謝の気持ちを込めて用意するお食事を、「通夜振る舞い(つやぶるまい)」といい、お食事をしながらお酒を飲み交わし故人様との思い出話などを語り合いながら故人様をお偲びします。

地域の風習によっては通夜振る舞いのことを「お斎(おとき)」と呼ぶケースもあります。

葬儀会館であれば会食室や控室などで机やテーブルなどで食事を行いますが、自宅での葬儀であればリビングなどで食事を行います。

中には故人様と一緒に食事をしたいという方も多くいらっしゃり、お棺の近くにテーブルなどを準備し故人様にも食事を供えて一緒に行うというケースもあったりします。故人様へお供えする料理を「陰膳(かげぜん)」といいます。

また、枕元にお茶碗山盛りのご飯を供えお箸を立てるものを「枕飯(まくらめし)」などといったりします。

どんな食事内容?

通夜振る舞いの料理内容は桶のお寿司やオードブルなどを皆でつまみ合い、アルコールやソフトドリンクを用意します。料理屋さんによってはサンドイッチやおにぎりなどもあったりします。

本来は魚やお肉を使用しない「精進料理」なのですが昨今では精進料理にこだわらず、故人様と遺族・親戚一緒に楽しく食事できればそれでよいという考えの方が強いため気にしなくてよいといえます。

新型コロナウィルス感染症の影響が心配ということもありますので、その場合は折り詰めの握り寿司などを準備し、個々で召し上がるもしくは事情を説明し持ち帰ってもらうという方法があります。

地域の風習によっては通夜振る舞いは故人を偲ぶ食事の場であることから、あまり豪華な食事を用意せず助六寿司などシンプルなものを準備するというケースもあります。お通夜の飲食費用は品物や飲み物によって変動しますが、一人1,500円~3,000円程度が相場だといえます。

通夜振る舞いの流れ

一般的にはお通夜式後に食事を行いますが、お通夜式の前に行う場合もあります。

通夜式終了

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会食室に移動

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会食前の喪主挨拶

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会食(通夜振る舞い)

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会食後締めの挨拶

通夜式前の食事でも流れは同じになります。お葬式(弔事)では乾杯とは唱和せず、「献杯(けんぱい)」という言葉で食事を開始します。

葬儀では精進上げ(精進落とし)

精進揚げ

お葬式の当日に参列された方に用意する食事を「精進上げ(しょうじんあげ)」「精進落とし(しょうじんおとし)」といいます。食事のタイミングとして葬儀告別式・出棺が終わり、骨上げまでの空き時間に行うことが一般的ですが、午後からの葬儀で遅くなる場合は葬儀の前に行うこともあります。

葬儀告別式終了・出棺

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火葬場から一度帰館・帰宅

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会食(精進上げ)

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骨上げ(収骨)

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初七日法要

食事の流れは喪主様の食事前の挨拶~会食~締めの挨拶と通夜振る舞いの流れと同じになります。

食事内容について

精進上げ(精進落とし)の精進は精進料理からきておりますが、昨今ではあまり関係なくなっているのが現状です。食事の内容は通夜振舞いとは異なり、一人一人に分かれた懐石料理や御膳料理を準備するのが一般的です。予算は飲み物を含めて一人4,000円~7,000円程度が相場になります。

法事での食事は?

葬儀後の法事も大切な儀式・供養のひとつです。

  • 初七日法要
  • 二七日(ふたなのか)~六七日(むなのか)の七日参り
  • 満中陰(四十九日)法要 
  • 100箇日法要
  • 一周忌法要
  • 三回忌法要

などがあります。初七日法要は当日に行うことがほとんどですので、初七日法要後に食事を用意するということはありませんが、「四十九日法要」「一周忌法要」「三回忌法要」では親戚が集まり食事も一緒に行うというケースが多かったりします。

家族葬の増加により法事も家族だけで行うというケースが多くなっているため、あらたまった会食の場を準備される方も少なくなっています。

食事は何人分用意すればいい?

食事は何人分用意?

基本的にはお葬式の参列者全ての方に食事を行ってもらうということありません。

一般的には遺族・親戚のみで食事を行い故人様を偲びます。

しかし、中には生前からの長い付き合いがあり家族同然の関係性であった場合は一緒に食事を行うケースもありますが、基本的には親類のみで食事を行うことがほとんどです。場合によっては葬儀のお手伝いをしてくれた自治会(隣組)の方にお食事を振る舞うケースもあります。

打ち合わせの時点である程度の数を決め、数の変更があればお通夜式に間に合う時間までにその旨を葬儀社や料理屋さんなどに伝えます。

食事の用意は必ず必要?

お通夜式・葬儀告別式・法要で食事の用意を必ず行わなければならないということはありませんが、遠方から来てくれる親戚や久しぶりに会う親戚が参列する場合は一緒に食事をし、故人様を偲んであげるのがよいでしょう。

家族(遺族)のみの葬儀であれば、あらたまった食事の場をもうけない方が多いです。しかし、他の親戚が参列される場合でも、コロナ禍だから不安という場合は持ち帰り用の料理を渡すというケースも増えています。

現状では「緊急事態宣言」は解除され、新型コロナウィルス感染症が落ち着いているといえど、まだまだ会食はクラスター感染が心配」という意見もよく耳にします。

コロナが不安で会食をしたくない・怖いという場合は、食事の準備を行わなくても親類参列者の理解を得れますが、生前の感謝の気持ちは伝えたいという場合、持ち帰り用の食事を用意することがよいといえます。

食事はどうやって準備するの?

基本的には葬儀社が準備を行ってくれますが、持ち込みや各自で行うことがOKであれば自分たちで準備してもかまいません。しかし、葬儀社に依頼すれば食事の配・後片付けまでしてくれますので負担が減ります。自宅での葬儀であればお部屋にテーブルなどを準備し、配膳・片付けまでしてくれます。

まとめ

こちらでは通夜振る舞い・精進上げ・法事の食事について解説いたしました。

本来は「精進料理」を召し上がるのがよいのですが、風習や葬儀の価値観の低下により全体的に簡素化されており、自由になっているのが現状です。

それは仕方が無いのですが皆で食事を行い思い出話をすることは故人様を弔う儀式の一環となりますので、あらたまった場をもうけなくても故人様には食事をお供えしてあげたほうがよいといえます。

一級葬祭ディレクター/中原優仁【記事監修】厚生労働省認定
一級葬祭ディレクター/中原優仁

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