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葬儀の知識

のし(熨斗)とは?葬儀や仏事で使用するのはマナー違反?

熨斗とはどんなもの?

のし(熨斗)について2

お中元の包装紙やご祝儀の袋の右上あたりに赤いものが付いていたり印刷されていたりしますよね。

こちらを熨斗といい、読み方は「のし」になります。

のしについて

「のし袋」とは本来ではのしが付属している現金を包む際の袋をいい、お祝い事で使用するものは「祝儀袋(しゅうぎぶくろ)」、弔事用では「不祝儀袋(ぶしゅうぎぶくろ)」といいます。

「のし紙」とはのしと水引が付いているものを示し贈答品を包む際に使用しますが、のしが付いているものは弔事や仏事でのお供え物には使用しません。

一般的には慶事・弔事ともに「のし紙」と言いますが、本来は弔事で使用するのし紙のことを「掛け紙(かけ紙)」と呼びます。

また、現金を包む祝儀袋や不祝儀袋においても、のしが付いているものは祝儀袋にのみに使用します。

香典やお供え物はのしが付いていない水引だけの熨斗袋や熨斗紙を使用することがマナーとなります。

お祝い事やお悔やみ事があった際は現金を入れる袋やのしがみを用意することになりますが、必然的にのしが付いていたり、品物を包むのしがみは店員さんがお祝いや弔事に応じて選んでくれますので心配する必要はないといえます。

のし付結婚式・お中元・お歳暮・お祝い・内祝い・快気祝い・入学祝い・出産祝いなど何度繰り返してもよい縁起事に使用
のし無し香典・御仏前・御霊前・お供え・御布施・病気見舞い・災害見舞いなど一度きりで繰り返すことがよくないことに使用

のし紙のかけ方について

のし紙には「内のし」「外のし」の2種類があり、内のしは包装紙の内側に掛ける方法で、外のしは品物に包装紙を巻きその上からのし袋を掛ける方法です。

贈り物にのし紙を巻くのは世間一般的なマナーではありますが、「内のし」「外のし」についての厳密な決まりなどはありません。

どちらでもよいとはいえますが、一般的に多い傾向をご紹介します。

内のし例えば内祝い(※身内でおめでたいことがあった際に周りの方に報告・御礼をすること)を送る際は内のしが用いられます。相手方のお祝いではなく、こちら側の祝い事のお返しであるため、あえて目立つ外のしにする必要がないという考え方です。しかし、内祝いを宅配で送る際はのし紙が破れたり汚れたりする可能性がありますので外のしが適切だといえます。
外のし外のしは相手方が一目見てどのような贈り物なのか分かるため贈答品全般で使用できます。しかし、お祝い事だから外のしが適切とはいえ、のし紙の汚れや破れなどが心配な場合は内のしでも問題ありません。

葬儀や仏事(法要)ではどうなのか・・・?

葬儀や法事においては外のしをよく伺いますが、こちらも決まりは無く宅配で送る場合や遠方から相手方に持参する場合は内のしの方が紙のダメージの面で適切だといえます。

葬儀にお供えする供花には名札が付いており、お花が品物に変わっただけですのであえて内のしにする必要はありません。

しかし、「香典返し(返礼品)」「お供え物のお返し」などは目立つ必要はなく控えめな気持ちがよいことから内のしが適切だといえます。

結論をいえば、慶弔ともに内のし・外のしの決まりは特に無いが「内祝い」では内のし「相手に用途をすぐに分かってもらいたい」「お祝いの気持ちを全面に出したい」などの場合は外のしがよいといえます。しかし、のし紙の汚れや破れなどの危険性があると感じた場合はどのシーンにおいても内のしで問題はありません。

熨斗の由来について

熨斗の由来にはさまざまや説がありますが、高級で栄養価が高く不老長寿の象徴である鮑(あわび)を、長く切り伸ばし祝い事など慶事の際に贈答品として使用されていたため、伸ばした鮑「伸し鮑(のしあわび)」が「熨斗鮑(のしあわび)」になり、「熨斗」に変化していったとされる言い伝えがあります。

「熨」という漢字にはおさえる/のす/のばすという意味合いがあります。

以後の日本では贈り物に「熨斗」を添える風習になりました。紙製の疑似熨斗が使用されるようになったのは、明治以降とされており、そこから更に簡略化されて水引と熨斗がプリントされた熨斗紙(のしがみ)に変化していきました。

のしの縦長の茶色い部分がアワビを模しています。

鮑は元々なま物なので、贈答品が生物(ハムなどの肉類や魚貝類)には熨斗を付けないことがマナーとなります。

生ものに生ものを重ねるのはよくないという考えです。

本来の熨斗は現在でもあるのか・・・?

本物の熨斗鮑

ネットで調べてみた所、京都の松屋さんというお店で500g34,000円で本物の熨斗鮑が販売されておりました。茶色の干物のような部分が乾燥したアワビです。

おそらく皇室への献上品などにつけるものだと予想しています。

まとめ

こちらでは慶弔においての熨斗(のし)のマナーや由来などをご紹介いたしました。

のしを使用するシーンはお祝い事全般であり、弔事(葬儀・仏事)には使用しないことをお分かり頂けたかと存じます。

また、内のし・外のしでは外のしは相手側に一目で用途を分かってもらえたり、お祝いの気持ちがすぐに伝わるということから外のしが適切ですが、のしの汚れや破れ等の可能性があるため内のしでも問題はないということです。

そして本物の熨斗は高級であり販売しているお店もほとんどなく、一般的ではないということも分かりましたね。

最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。

一級葬祭ディレクター/中原優仁【記事監修】厚生労働省認定
一級葬祭ディレクター/中原優仁

公開日 2023年7月10日|最終更新日 2023年7月15日

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