![]() 一級葬祭ディレクター/中原優仁 |
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葬儀・家族葬費用の見積もりはする派?しない派?
いざ葬儀を行う際、費用は誰もが気になることであります。
直葬を検討している方や家族葬・一般葬を検討している方などケースはさまざまですが、葬儀費用やサービス内容は葬儀社によって幅があります。
こちらでは葬儀・家族葬費用の見積もりについてのリアルな実態を記述いたします。
葬儀・家族葬費用の見積もりは必ず必要か?
葬儀費用には別途費用とされる部分が多く、「会館使用料」「火葬料金」「粗供養費用」「供花代金」「オプション費用」「飲食費」「お布施」などはごく一部葬儀社を除きプランに含まれません。不要なものは省けますが、省けない部分も多かったりします。
葬儀費用が知りたい方や費用を抑えたい方は絶対に見積もりを行った方がよいといえます。
逆に、
- 過去に葬儀を何度も経験しておりだいたいの費用は把握している
- 互助会や葬儀社会員に入っている
- 故人が葬儀費用を残してくれている
- 保険などで費用が十分まかなえる
- すでに事前相談で見積もりを出してもらっている
などの理由により、費用を特に気にしないという方は見積もりをしなくても構いません。
しかし、理由はどうあれ葬儀費用は「高い」「不明瞭」なイメージもあり、気になる方の方が大半だと言っても過言ではありません。
見積もりをすることで明確な費用が算出されますし、費用の準備も工面しやすいことから葬儀費用の見積もりは行った方がよいといえます。
そして、何よりも損をしない(費用を抑える)ということも見積もりを行うことで得られるメリット一つです。
葬儀・家族葬費用の見積もり方法について
葬儀・家族葬費用の見積もりには3つの方法があります。
- 電話で見積もりをする
- WEBでの見積もり
- 実際に葬儀社に出向く
それぞれのメリットやデメリットがありますので、こちらでご紹介いたします。
1.電話で見積もりをする
電話での見積もりはいつでも誰でも簡単に行えることがメリットです。
そして、対面ではないことから何でも遠慮なく質問できるということと、その場において数社への相見積もりも可能となります。
例えば自宅などにおいて携帯電話をスピーカー設定し周りの親族の質問なども担当者に聞けたりしますし、費用をもう少し抑えたいなど実際には言いにくいことだって伝えることができます。
また、急いでいる際には便利ともいえます。
デメリットは対面ではないため担当者の第一印象や所作、対応の仕方など電話では分からない部分があったり実際の葬儀祭壇や供花の種類、返礼品などのイメージが付かないなどがあったりします。
2.WEBでの見積もり
葬儀社は実際に地元に存在する会社から、昨今よりインターネットで葬儀社を紹介してくれる「葬儀紹介業者」も増加しており、テレビCMなどにおいてもよく流れていたりしますよね。
現在ではどの葬儀社もホームページを開設しており、WEB上やメールにて見積もりを行うことができます。
スマホやパソコンを使いこなしている方には、面倒な会話など必要なく気を使わないということや、祭壇・供花・粗供養品・食事などの画像も見れることからある程度のイメージが付きやすいことがメリットです。
しかし、デメリットは非常に多いように感じます。
- 年配の方には難しい
- 基本的にメールでの見積もりとなるため急いでいる時には向いていない
- こちらが聞きたい事をリアルタイムで聞けない
- 総額費用を算出するには何度もメールを交わさないといけない可能性がある
- ネット検索したけど思っている葬儀社ではなく、葬儀社紹介会社にアクセスしてしまった
などなど面倒な部分や、ややこしい面が多かったりします。
そして、数社に相見積もりを行うのも非常に時間がかかり、今すぐ葬儀費用が分からないということになります。
結局電話で聞こうか・・・というパターンになってしまいます。
インターネットでの見積もりにおいて、1回のやり取りで葬儀費用の見積もりを完結できるシステムは今の所無いといっても過言ではありません。
3.実際に葬儀社に出向く
実際の対応や担当者の印象も直接伺うことができ、パンフレットやカタログを見ながら説明を受けることができますし、質問もたくさん出てくると思いますのでその場で質問できます。葬儀会館の場所の確認や見学もできたりしますよね。
ただ、葬儀社に出向く面倒さがあったり、急いでいる時は相見積もりができなかったりします。
実際どの見積もり方法がいいのか?
時と場合によりますが、時間に余裕があるなら葬儀社に出向いて見積もりすることがベストです。
時間に余裕がない場合、電話での見積もりは場所を選びませんし、時間が無い中でも短時間で相見積もりができますのでオススメといえます。
WEBでの葬儀費用の見積もりは便利だとはいえますが、結局は電話で確認される方が多いような気がします。
地域最安や追加料金0円に騙されるな!
広告などで見かけたりしますが、あまり鵜呑みにしてはいけません。
特に費用を抑えたい方は注意が必要です。
景品表示法などにおいて指摘されている葬儀社もあったりしますので、表示価格だけで費用やサービス内容を信用するのは絶対いけません。
疑ってかかる方がよいといえます。
弊社においても表示価格が総額費用ではなく追加費用というより別途費用は必ず発生しますし、お客様の希望があればオプションなどもオススメしたりします。
特に追加費用0円に関してはお客様からの要望が無いのにも関わらず、費用が上乗せされてたら詐欺であり犯罪です。
葬儀業界にも担当者側からして色々ノウハウなどがあったりしますし、売り上げ=給料に繋がります。
以上を踏まえて葬儀・家族葬費用の見積もりは絶対に行った方がよいといえます。
葬儀費用の見積もりの際に心得ること
1.まずは葬儀形式を伝える
葬儀の形式にはおおまかに分けて「直葬」「一日葬」「二日葬」がありますので、お客様のご希望の形式を伝え、寺院(宗教者)の有無も伝えます。
2.別途費用やオプションについて具体的に聞く
葬儀プランの説明を受け、担当者が費用の説明を行いますのでとりあえずは基本となるプランを選択し、そこから別途費用やオプションを事細かく聞くことができればベストです。
そして、不要なものは省けるのかどうかについても質問しましょう。
別途費用は式場の使用料や火葬料金・御布施(宗教者を呼ぶ場合)など基本的には省略できない部分となりますが、オプションは希望でなければ省略できます。
例えば、
飲食は必ず準備しないといけないのか? |
飲食物については基本的には葬儀社が準備しますが、持込OKの場合もあったりします。 葬儀社が準備する食事は割高であったりするため、持ち込みが大丈夫であれば費用を抑えることができます。 参列者が遺族のみの5人程度であれば改まった食事の場を省いてもいいという考えも増加しています。 »葬儀の食事のマナー |
粗供養品の確認 |
通夜式と葬儀告別式への参列者に粗供養品を渡しますが、遺族のみの参列であれば渡す必要はありません。しかし、遺族以外の近い親戚などに対しては粗供養品を準備することが望ましいといえます。 »粗供養について詳しく |
供花の確認 |
供花は祭壇の脇にお供えする「親族一同」「子供一同」「孫一同」など、親戚がお供えする盛花です。見積もりに含まれている場合もありますので、確認を行い不要であれば省くことができます。 |
御布施 |
お参りに来てくれる宗教者への御礼となります。無宗教や創価学会友人葬であれば必要ありません。御礼の相場は檀那寺があれば直接確認し、葬儀社に紹介してもらうケースであれば費用を確認しておきましょう。 »御布施の相場について |
上記のオプションにつきましては全部が全部確認仕切れないと思いますが、火葬料金や式場使用料など必ず必要な費用は聞いておいた方がよいです。
3.葬儀費用の予算を伝える
こちらは一番損をしないコツであったり、費用を抑える裏技であったりします。
それは・・・
基本料金・別途費用・オプション費用の総合計(葬儀総額費用)をずばり伺い、「予算は〇〇万円で考えているのですが、、、」と伝える方法です。
無理な場合は「それは無理です」と言われますので、葬儀社が「ん~・・・」となれば割り引いてくれる可能性が大きいです。
しかしリスクもあり、数社の見積もりを取ってどこも希望金額にならなかった場合、結局どの葬儀社にしたらいいのか、、、となってしまいます。
葬儀は費用が全てではありませんので、担当者の対応や印象も踏まえて葬儀社を決めた方がよいといえます。
見積もりは何社から取ればいいか?
弊社がお客様に尋ねた結果、だいたいの場合は1件~3件程度です。
多い方で5件~10件というお客様もいらっしゃいます。
費用で選んでいただいたケースもあれば電話対応や対面での対応で選んでいただいたこともあり、費用が全てでは無いというのは実感しています。
時間に余裕が無い場合は1社~3社程度が限度かと存じますので、もし余裕があるのならば3社~5社程度は葬儀・家族葬費用の見積もりを取ってみてはいかがでしょうか?
リアルに葬儀サービス内容や葬儀費用が変わってきたりします。
葬儀業界だけに関わらない話です。
相見積もりの注意事項
昨今では葬儀業界も激戦であり、お客様を取り合ってる状況にあります。
特に費用面において安い方がいいという場合は相見積もりを何社か行った際、当然ではありますが1件目より2件目、2件目より3件目の葬儀社は費用を少しでも安く提示してくるケースが多かったりします。
そして5件目くらいでこの葬儀社にしようとなった場合、あまりに費用を抑えすぎると葬儀社もどこかのサービスを抑えないと利益が出ません。
※費用を抑えすぎることにも注意が必要なのは間違いありません。
さいごに
最後まで目を通していただき、誠にありがとうございました。
こちらでは葬儀・家族葬費用の見積もりについてリアルなお話や損をしない(費用を抑える)コツについてご紹介いたしました。
記述部分によっては「噓でしょ・・・?」と感じる部分もあるかと存じますが本当のお話であり、葬儀業界でのあるあるだったりします。
葬儀・家族葬費用の見積もりは時間に余裕があれば何社かに問い合わせをする方が費用も抑えることができ、金額のイメージも付くといえます。
しかし、あまりに低費用にこだわり過ぎるとサービス内容面での食い違いなどが生じる可能性もありますので、自己判断が必要にもなってまいります。