はじめに
昨今ではインターネットや街のお花屋さんにおいても造花が売られていたりします。
昔から造花は売られていましたが時代の流れとともに、明らかにニセ物という造花から、現在では本物と見間違う程の造花に進化しており上の画像も造花になります。
こちらでは葬儀や法要・お墓参りなど弔い事で、造花と生花では「どちらが良いのか?」となると、いつまでも答えが出ないまま意見が分かれると思いますので、造花を飾る・供えるのはアリか?ナシか?について個人的な見解で申し訳ございませんがご紹介したいと思います。
造花とは?
造花には紙製・布製・ポリエステル製などのものがあり、主流はポリエステルやポリエチレンを原料としたお花や葉っぱ(グリーン)を造花といいます。
ここ最近では、
ソープフラワーと呼ばれる石鹸で出来た造花もあり、アロマの香りや石鹼の香りなど良い匂いがします。
ソープフラワーはシャボンフラワーとも呼ばれていて、泡立ちはしますが石鹸としての機能にはあまり期待できず、見た目から主に観賞用として販売されていることが多いです。
手洗いや身体を洗ったりするためには作られていないようです。
また、100円くらいの造花はあきらかに造花感が出ており、一輪500円以上の物は割とリアルであったりします。
「ドライフラワー」「プリザーブドフラワー」というお花を聞いたことがありますか?
・ドライフラワーとは
本物のお花や葉っぱ、果実などを乾燥させてインテリアなどの装飾や観賞用のお花です。
・プリザーブドフラワーは
ドライフラワーの一種ですが、特殊な液体を浸しドライフラワーよりも長く保存でき、見た目が生のお花に近いお花になります。
「ドライフラワー」「プリザーブドフラワー」は本物のお花を材料としているため造花ではありません。
葬儀や弔い事での造花の現状
葬儀において、生花祭壇に葉っぱなどグリーンの造花を使用しているケースは多く見られますが、生花祭壇メインを造花で飾っている祭壇は見た事がありません。
しかし、病院の霊安室で葬儀の祭壇のように飾りつけをしている所がたまにありますが、その場合は造花を使用している所がほとんどです。
また、お墓や仏壇に供える仏花には造花が多く使われていたりします。
造花を使用する理由
造花をお供えする理由やメリット・デメッリットについてご紹介します。
仏壇やお墓
造花のメリット |
こちらがメリットといえます。 特に年配の方で、お墓参りや仏壇のお花の入れ替えなど頻繁に出来ない場合は造花は非常に役立ちます。 |
造花のデメリット |
デメリットは造花ではありがたみや、ご先祖様・故人様に対しての供養をおろそかにしてしまうという面です。 |
仏壇やお墓で使用する仏花型の造花は一度購入すると、何年も使用できますので非常にコストパフォーマンスがよいです。また、水やりも不要で菊やユリなどのお花は本物のお花の場合、花粉や花に付着した薬剤(殺虫剤)などにより、手が荒れたりかぶれたりもしますので造花であれば安心です。
私の場合、葬儀の祭壇や供花を作成する時は手袋とマスクは必ず着用します。長年花屋さんに従事している方でも、花のアレルギーがヒドいという方は多くいます。冗談で「花屋に向いていないんじゃないか?」と言われることもありますが、好きでやっているのでアレルギーは対処できますし慣れれば何とも思いません。
また、お花を触ったことが無い方には見分けが付かないものも存在します。素材感や光沢感が非常にリアルに再現されていて凄いなと思います。しかし、お供え物となるお花に造花を使用すると、ありがたみがなかったりご先祖様に申し訳がないとは思っている方は多いんじゃないでしょうか?
レプリカは造花だけではない
作り物には造花だけではなく「電気線香」「電気ローソク」「果物」「仏飯(御膳)」「団子」「盆菓子」など、仏事でのお供え物にはレプリカや食品サンプルが売られています。
造花と電気線香・ローソクはお客様の家でも良く見られますが、果物や仏飯など食べ物に関してのレプリカを使用している方はそこまでいらっしゃいません。食べ物をレプリカ(オモチャ)でお供えしてしまうとバチが当たるという意識があるのでしょう。
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造花は有りか?無しか?
年配の方や身体が不自由な方はアリだと思います。
水の入れ替えや買い替えなどを頻繁に行うことが困難となるため、有りというより仕方が無いといえます。造花に関わらず、線香・ローソクなど火の元も、特に年配で身体が不自由な方であれば火事の危険性が増したりもします。
造花や電気の線香・蝋燭は実際使用している方も多いですが、食べ物(食品サンプル)をお供えしている方は実際に見たことがありません。年配の方や身体が不自由な方は「本当はレプリカを使用したくない」とは思っているはずで、食べ物は自分自身も食すため本物を供えておられます。
食べ物に関しては〇〇は供えてはいけないなどの決まりは無いですし、食品サンプルをお供えするくらいなら、自分が食べるものや自宅にある物をお供えしてあげればいいのです。
遠方に住んでいる方も仕方が無いといえます。
仏壇やお墓がある地元ではなく、遠方に住んでいる方の造花の使用も仕方が無いといえます。
仕事や家庭の事情により地元(実家)を離れる方も多いです。しかし、造花などをお供えする分、まだご先祖様の供養の気持ちがあるのかなと思います。
しかし、仏壇やお墓が放置状態になっているということが社会問題にもなったりしていますので、そうなると予想出来るようであれば、早いうちに墓じまいやご先祖様も含め永代供養された方が良いのかなと思います。
「きちんと供養したいけど難しい」という場合は帰省した時だけでも、しっかりと供養してあげればよいと思います。
ただ単に、面倒という方は無しだと思います。
若くて元気な方で、仏壇やお墓への供養が面倒という方も多いと思います。
少し答えの方向が違うかもしれませんが、仏壇がホコリまみれ、お墓が鳥のフンや草が生い茂っているなど良く見かけます。中には管理をする人がいないという場合もありますが。
管理が出来る状態にあるにも関わらず、行わないという場合は「もう少し頑張った方がいいんじゃないか・・・」と思ってしまいます。面倒で常にお墓や仏壇に造花を供えるというのは辞めて、お彼岸やお盆、命日など年に数回くらいは生花を供えてあげましょう。
風習や文化の薄れもありますが、管理が面倒という場合はもう少し頑張っていただき、管理が面倒でしたくないという場合は仏壇やお墓を手放し、お寺様などに供養を任せる永代供養という方法もあります。
補足ですが「金銭的な問題」もあるかと思います。お供え物に費用をかけることができないという方もいらっしゃるかと思いますが、その場合は何もしないよりは造花やレプリカなどで見た目だけでも華やかにという場合はよいといえます。お供え物は品物の良し悪しではなく「供養をしてあげたい」という気持ちが大切ですから。
葬儀の祭壇に造花はアリ?ナシ?
私はアリの場合とナシの場合のどちらもあると思います。
葬儀の祭壇も造花で作成することができます。
そして造花は棺には入れませんので、何年も使い回しができます。
「葬儀プランを安く提供出来る」
という場合は有りだと思います。
祭壇のお花は、見た目の華やかさもそうですが、故人様へのお供え物となります。お供え物に造花を使用するのは葬儀社的にどうなのか?という意見もありますが、葬儀費用を劇的に抑えることが出来るのであれば「造花でいい」というお客様も多くいらっしゃるかと思います。
お別れの際に棺に納めるお花だけ必要な分、葬儀社から購入し納めるという方法です。そこまで値段が変わらなければ葬儀祭壇に造花を希望する人なんていませんからね。
また、「ソープフラワー」や「プリザーブドフラワー」の祭壇で、棺にお別れ花として納めることができる場合もアリです。しかし、これらは生花よりも何倍も高かったりしますので、逆に葬儀費用が上がってしまいます。オプションとして、お別れの際に少し棺に入れる程度になると思います。
フローリーでは生花を使用することにこだわっています。
やはり、生のお花に勝るものはないと思っております。
注意事項
葬儀の祭壇に造花を使用するのは別によいと思いますが、「祭壇」や「供花」に造花を使用しているということをお客様に伝えない業者は悪徳で詐欺だと思います。
プラン料金が激安であれば、まだ百歩譲って許してくれるお客様もいるかもしれませんが、生花祭壇と変わらないような金額で造花祭壇であれば詐欺です。
年齢が若かったり、お花を触ったりしたことが無い方には通用するかもしれませんが、そうでない方は葬儀の祭壇に造花を使用するというのはありえないと感じる方がほとんどでしょう。
お客様に黙って葬儀の祭壇や供花に造花を使用する業者さんはいないと思いますが、100%とは言い切れません。
まとめ
こちらでは葬儀や仏事・弔事での造花使用について書かせて頂きましたが、本来のお供えの意味というのは置いておいて、ケースによって「アリ」の場合と「ナシ」の場合があるといえます。
造花と生花で悩んでいるなら生花がよいです。
造花に関わらず電気線香や電気ローソク・食品サンプルもそうですが、年配の方や身体が不自由な方・遠方に住んでいる方はアリというよりは仕方がないといえますが、面倒という方はもう少し頑張って欲しいものです。。。
お墓や仏壇の管理を絶対にしたくないと言う方は、周りのご親戚などに相談をし仏壇やお墓を手放し、永代供養などをされるほうがよっぽどマシだと思います。
反対の意見があると思いますが、その方が管理してくれる訳でも無く、結局は自分で行わないといけません。反対派意見に「はい、はい」と適当に答えたのにもかかわらず放置していたら、次は「放ったらかしにして・・・」という意見が出てきます。
手放す勇気といのも大切だといえます。
造花の有無と仏壇・お墓の管理などが混在してしまい申し訳ございません。
公開日 2021年8月25日|最終更新日 2024年8月14日