【記事監修】厚生労働省認定 一級葬祭ディレクター/中原優仁 |
目次
親の葬儀には絶対行かないとダメなの!?
ご両親の死はいずれ訪れ葬儀を行うのですが「出たくない・・・。」「絶対に行きたくない」という方も実はいらっしゃいます。別にその感情は変だとは思いません。
理由は言えませんが、親のお葬式に出たくありません。絶対に参列しなければいけないですか?批判があったり、今後の評判が悪くなりますか?意見を聞かせて下さい。
過去にこのような事例がありました。人によってさまざまな意見があると思いますが答えてみます。
参列するかしないかは自分次第
結論からいうと行くか行かないかは自分次第です。
また、理由によりますが無理してまで参列する必要はありません。
親の葬儀への参列は世間一般的に当たり前であり、お葬式に出ないと批判やその後の評判が悪くなってしまう可能性が大きいです。「親不孝な子供だ」「どういう育て方をしていたんだろう」など親に対しても子供に対しても良くない意見や噂が広まるケースもあります。
「今後のことを気にしない」「後悔しない」「周りの目を気にしない」という場合や「葬儀後に何をいわれても別によい」という覚悟があれば参列しなくてもよいと自分は思っています。これらを気にするなら参列すべきですが葬儀は「故人を弔う」「故人への感謝」を込めて行う儀式なので最期のお別れをしたいという気持ちがないのであれば意味がないとは思います。
親の葬儀に行かない・行けない理由はさまざま
親の葬儀に行かないという理由はさまざまです。また、「仕方が無い(行けない)」という場合と「少し考えた方がよい」というケースもありますので事例をあげてみましょう。
私から見て仕方が無いケース いった方がよいというケース(めんどう)お坊さんを呼んで葬儀を行う意味が分からない 村八分に
宗教上の理由
自分と親の信仰している宗教が違い考え方が異なり葬儀には出なかった。周りが何といおうと関係が無い。 |
宗教上の関係で葬儀場には入れないので親の葬儀には出なかった。 |
など宗教上の理由では仕方が無いケースは多々あります。「エホバの証人」では葬儀は行いますが宗教儀式などは行いませんので、例えば自身がエホバの証人を信仰しており親が仏教徒であれば仏教形式で行う葬儀場に参列しないケースがほとんどです。
親が大嫌い
「親が嫌いで顔も見たくなかった」という方もいらっしゃいます。
故人が生前中家庭内暴力(DV)が激しくて救急車で運ばれたことも何回かあり絶縁状態だった。 |
夫の親との嫁・姑もんだい。(イジメられていた) |
など親との仲が良好でないケースです。旦那の親と不仲で義理の親の葬儀に行かないという方もいらっしゃいます。
身寄りがない方や疎遠の場合
遠い親戚にあたり身寄りがないため遠方に住んでいる遠い親戚の自分に連絡があった。故人とは何十年も付き合いが無いから参列しなかった。 |
身寄りがない場合は自治体が親戚を探し連絡をするのですが、疎遠であったりのケースもあり葬儀の参列を断ることがあったりもします。
新型コロナウィルスの影響
コロナ全盛期の時に海外に住まれている方が、その国から出れなかった為お葬式に参列できなかったが、帰国後に供養をし、家族と故人を偲ぶ時間を持てた。親が身体が弱いのは知っていたが仕事のため仕方なかったが、少し後悔している。
体調不良
重度の持病もちで、手術当日に親が亡くなったから参列出来なくせつない気持ちになった・・・など体調面で行けないケースがあったりします。
仕事の関係上
自分の仕事を凄く応援してくれていて、晩年は俺(故人)より自分(子供)を優先して欲しい。葬儀にも来なくていいと遺言があり、親の意思もあり通夜式には行かず葬儀告別式にだけ参列した。
などなど、さまざまな理由はありますが宗教上の理由や親との関係があまり良好ではないケースが最も多いようなイメージを持っています。
それ以外については「行かない」ではなく「行けない」に該当するケースも多く、こちらとしても仕方がない・・・と感じます。
面倒という理由で行かないというのは辞めておきましょう!
ただ単に「面倒だ・・・。」という場合は行かないという選択肢を取るのはよくありません。誰も理解できない理由であり、後々何を言われるかわかりません。
参列するかしないかには様々な意見があります
参列した方がいいという意見 |
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このような意見があります。参列しないなんて親孝行(親不孝)だという意見や悩むということは迷っていることだから、行って後悔する方がいい。葬儀に行かないで後悔するのは取り返しが付かないなどの意見です。また、葬儀に参列しない場合、故人の遺産相続にも影響し裁判になったりもありえますので、良く考えるべきです。周りの目や今後の自分に対しての評判が気になる、後悔するかもしれない、遺産はもらいたいという場合は参列すべきだと思います。
参列しなくてもいいという意見 |
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自分の気持ちを理解できない・してくれない、後悔が残るか残らないかなど、自分が同じ立場になったらどう思うかという意見です。最終的に決めるのは自分になりますので、参列することによってトラウマが蘇ったり、今後の自分のメンタルに影響し続けるくらいなら、参列しなくてもよいといえます。
仕方が無いという場合 |
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葬儀に参列はしたいけど、事情がありどうしてもその日に行けない場合もあります。しかし事情を理解してくれる方もいれば、理解してくれない方もいます。世間一般では、親の葬式は優先順位が高いという意見が多いのですが、仕事や宗教上の理由で参列できない=親不孝ということで簡単に解決できるような問題ではないともいえます。また、命に係わる病気や感染力の強い新型コロナウィルス感染症・インフルエンザは仕方がないです。身体の問題をかかえてまでの参列は故人様も周りの方も望んでいません。日程をズラすという方法もありますが、それでも無理な場合は無理です。そういう場合は故人様への気持ちがあるなら、今後の供養をしっかり行ってあげましょう。
喪主をする立場(長男・長女)だけど・・・
喪主は長男や長女もしくは長女の夫が担う役割であり、葬儀の日時やプラン・形式を決定し、参列者や宗教者への対応などを行う重要な役割です。
本来喪主をする立場である長男や長女である場合であっても「葬儀に出ない・出たくない」という方もいらっしゃいます。次男や次女であったり孫であれば「仕方がない・・・。」で済むケースが多いのだと思いますが跡継ぎである長男や長女となれば周りからの批判があったり評判が下がってしまうものです。
理由や事情があって「絶対に親の葬儀に出ない」という強い考えであれば出なくてもよいと思います。葬儀は故人を弔う場であり今までの感謝の気持ちを伝える儀式です。参列したい気持ちが全くなくて参列する行為はただただ時間の無駄になります。
会社を経営していたり地方に住んでいており評判がすぐに広まってしまうと後々後悔するケースでは別かもしれませんが、葬儀は故人を見送りたい人だけが参加するのが理想の儀式です。
自治会や隣組に入っているけど、面識がない人の葬儀にも参列しないといけないという風潮は現在でも残っています。こんなのは全く持って意味ありません。
喪主の立場なら誰かに任せよう!
いくら「親の葬儀のことなんて考えたくない・・・。」となっても喪主は誰かに任せなければなりません。喪主は本来であれば長男が担うのですが次男であったり他の親戚であったりなど別の者でも問題はありません。
可能であれば自分以外で喪主になるであろう者に声だけはかけておいたほうがよいかもしれません。放っておいても葬儀社との打ち合わせで喪主を決めるのですが、その者に一言あるのとないのとでは後々の関係が全く違う可能性があります。
親が原因で葬儀に参列しないのは自由ですが他の親戚は関係ありません。自身が不在の場合喪主を任されるであろう者や周りの親戚に迷惑をかけないためにも「本当に申し訳ないけど喪主は頼んでおく。」「自分は葬儀に出ないけど色々と任せておく。」の一言でもいいので声をかけておくことがベターです。
自分の結婚式と被ってしまった・・・
お祝い事当日とお葬式が被ることはたまにあります。キャンセル料などの費用がかかり、何より来賓の方に多大なる迷惑がかかります。簡単にキャンセルができ、日程をズラせる状態であれば葬儀を優先すべきですが、だいたいの場合は長い時間をかけて計画した結婚式を簡単にキャンセルすることは出来ません。こういった場合は、通夜式や葬儀告別式の日程や時間をズラすという方法があります。結婚式や披露宴を通夜式に合わすことが出来れば、翌日まで夜通しのお通夜と葬儀告別式の両日に間に合います。葬儀告別式に合わせることが出来れば、通夜式には参加できます。遠方で結婚式を行う予定でご親戚を招いているケースもありますので、この場合は結婚式後にお葬式を行えたらベストです。親の遺骨や遺影写真を結婚式場に持ち込み、故人様も一緒に結婚式に参加することができます。しかし新婚旅行などの兼ね合いなどでどうしても無理な場合もあります。仕方が無い場合は仕方がないです。どうしようもない場合は周りの意見を聞き、最終的には自分で決めないといけません。
まとめ
結局は自分の意思になります。批判や今後の評判は周りが事情を理解してくれるか・してくれないかによります。葬儀に参列したい気持ちがある・参列したくはないけど・・・と悩んでいる場合は参列すべきだと思います。絶対に参列はしない・周りの目なんて気にならない・という気持ちがあれば、無理して参列しなくていいと思います。この問題は一般的な常識やモラルでは解決できない難しい問題だといえます。
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公開日 2024年8月10日|最終更新日 2024年8月14日